オフィス就業者の働き方に寄り添う日立のスマホアプリ、基盤の「spaceOS」創業者らが可能性を語る:Hitachi Social Innovation Forum 2020 TOKYO ONLINE(3/4 ページ)
日立製作所は、オフィスで働く人がビル内の会議室やレストランの施設予約や各種情報の入手、就業者間のコミュニティー活動、非接触での入退室などをスマホアプリで一元的に行えるサービスプラットフォームを開発した。既に日立グループ内でのPoC(Proof of Concept:概念実証)を開始しており、日立のIoTプラットフォーム「Lumada」のビル分野での新ソリューションとして提供開始に向けた準備を進めている。
ニューノーマルにワーカーが求めるオフィス像
2つのプラットフォームのうち、講演でフォーカスした就業者向けサービスプラットフォームには、アプリケーション、プラットフォーム、エコシステムの3つの特性がある。
その一つアプリケーションは、情報配信や食品・物品が注文できる「オフィスコンシェルジェ」、ビジネスマッチングなどの「コミュニティー」、入退室管理や空調制御といった「ビル設備連携」などの機能を備える。
プラットフォームでは、複数ビルを横断した就業者のID管理、就業者の性別や年代などに寄り添ったサービスを可能にする属性情報の管理、キャッシュレスでのオフィス生活を実現する課金・決済管理などのシステムが紐(ひも)づいている。
3つ目のエコシステムは、サービスを継続的に進化させるシステムとして、サービスの追加や拡張するために不可欠なオープンなアーキテクチャ、他のサービスとも連携するオープンAPI、サードパーティーなど各ステークホルダーとの連携といったサービスプラットフォーム自体の優位性を指す。
グローバルでユーザーが広がるspaceOSの可能性
日立とともに就業者向けソリューション開発に携わったSpaceOSは、創業者のマチェイ・マルコフスキー氏がリモートで参加した。同氏は、長年不動産サービス会社に関わった経験を基に、自らベンチャーを立ち上げ、現在ではスタートアップから成長し、今ではスケールアップ企業としてオフィスビルのIT分野においてグローバルでリードし続けている。直近では、ドイツの資産運用会社Commerz Realと契約を交わし、墺Immofinanzや独Uniconを筆頭に、欧米のビルに働き方改革やオフィスワーカーの利便性をもらたすスマホアプリと開発者向けオペレーティングシステムのSpaceOSを提供しているという。
マルコフスキー氏によれば、「SpaceOSは日本版に先駆けること11カ国語で提供しており、日立との協業により、アルファベット言語以外での初のリリースとなった」と話す。
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