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オフィス就業者の働き方に寄り添う日立のスマホアプリ、基盤の「spaceOS」創業者らが可能性を語るHitachi Social Innovation Forum 2020 TOKYO ONLINE(2/4 ページ)

日立製作所は、オフィスで働く人がビル内の会議室やレストランの施設予約や各種情報の入手、就業者間のコミュニティー活動、非接触での入退室などをスマホアプリで一元的に行えるサービスプラットフォームを開発した。既に日立グループ内でのPoC(Proof of Concept:概念実証)を開始しており、日立のIoTプラットフォーム「Lumada」のビル分野での新ソリューションとして提供開始に向けた準備を進めている。

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ニューノーマルにワーカーが求めるオフィス像とは?

 両面からのアプローチのうち、フォアキャストでは、感染症防止で日立グループが在宅中心の勤務形態となって以降、withコロナに本格移行した後で実施した従業員サーベイから現状での問題点を探った。その結果、在宅での生産性はオフィスと同等だが、リモートコミュニケーションは対面に比べ生産性が低いことが判明。また、マザーオフィスには、コミュニケーション機能がとくに求められているとの結論に至った。

 一方のバックキャストの手法では、社内で2回開いたアイデア発想型のワークショップで、新たなオフィスのコンセプトを議論した。ディスカッションでは、これからのマザーオフィスは、自慢したくなる/行きたくなる場所で、在宅やサテライトではできないことを可能にする特別な場が理想とされた。


フォアキャストとバックキャストの両面でオフィスの在り方を検討

ワークショップで導かれたこれからの働き方イメージ

 サーベイとワークショップでの検討結果から浮かび上がったオフィス像は、中央スペースに事業部門の壁を無くした“フリーアドレス化”を可能にするイノベーションラウンジ「@Terrace」を設け、旧来の執務中心の配置ではなく、コラボレーションに重点を置きコラボ用スペースを3倍に増やしたマザーオフィスというプランが提示された。

 しかし、社内からは、イノベーションラウンジをただ配置するだけでは、社員交流の行動を起こせない人が少なくないため、活性化のためにはマザーオフィス運用後の後押しが必要との指摘も挙がった。そのため、今回のテーマとなっている就業者向けサービスプラットフォームというソフト面での交流行動の支援は欠かせないものとなる。


サーベイとワークショップの結果から浮き彫りとなった新たなオフィスのレイアウト

日立が目指すスマートビル実現のための基盤


日立製作所 ビルシステムビジネスユニット SIB推進部 主任技師 大塚憲治氏

 交流行動を後押しする就業者向けサービスプラットフォームの具体的な中身については、日立製作所 ビルシステムビジネスユニット SIB推進部 主任技師 大塚憲治氏が解説した。

 日立が考える就業者向けサービスプラットフォームとは、その理念に、新たな体験価値を提供し、就業者のQoL(Quality of Life)とオフィスビルそのものの価値向上を図ることを根底に据えている。具現化するには、旧来の立地や設(しつら)えなどの需要だけでなく、ワークプレース選択の自由度や就業者の交流行動を促すといった新たな要望にも応えることが求められる。

 日立では、ワーカーのオフィス内での情報を常時把握する「就業者(従業者)向けサービスプラットフォーム」だけでなく、ビル設備の稼働状況を扱う「ビル向けIoTプラットフォーム」とも融合させ、最終的にはスマートビルを実現するビルに関わる全てを網羅したプラットフォーム構想を掲げている。「ビル設備と就業者の行動が一体となることが重要で、これにより多くの拡張性を持ったサービスのアイデアが創出されるようになる」(大塚氏)。


就業者向けサービスプラットフォームのコンセプト

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