「TREND-CORE」がICT法面工など新基準へ対応、リモート業務を支援するVRソフトも強化:製品動向
福井コンピュータは、CIMソフトウェア「TREND-CORE」と建設向けVRソフトウェア「TREND-CORE VR」をバージョンアップした。最新版では、i-ConstructionでICT施工の適用工種となっているICT法面工などの最新基準・要領への対応やVRを活用した複数人での非接触・リモート型業務を可能にする機能拡充を図った。
福井コンピュータは2020年12月15日、CIMソフトウェア「TREND-CORE」と、建設バーチャルリアリティーシステム「TREND-CORE VR」の新バージョンを発売した。
BIM/CIM活用と非接触・リモート型業務を支援
国土交通省では、インフラ分野のDX(Digital Transformation)推進のため、非接触・リモート型の働き方への転換などの周知普及に取り組んでいる。また、2023年度には、公共工事でのBIM/CIMの原則適用を目指して、現在は要領・基準の整備を進めている。
新バージョンでは、BIM/CIM運用支援の強化、i-Constructionの最新基準への対応、非接触・リモート型の業務支援機能など、建設業界のニューノーマル(新常態)を具現化していくための各種機能を強化した。
TREND-CORE Ver.7では、最新基準・要領(3次元モデル表記標準(案)、BIM/CIMモデル等電子納品要領、ICT法面工)への対応、法枠モデル作成の機能を追加している。
3次元モデル表記標準(案)では、構造特性(寸法・注記、数量など)とモデル管理情報を加えて作成したデジタル情報「3DA(アノテーション)モデル」の作成が可能になり、構造物に対して任意の位置で断面・平面を自由に切り出せるため、既存の図面と3Dモデルとの照査に使える。同時に、同社のクラウドサービス「CIMPHONY Plus」とのデータ連携も図られている。
電子納品要領(案)令和2年3月版にも準拠し、成果品を電子的に提出する「ICON」フォルダを作成して、構造物や線形モデルを出力することもできるようになった。
i-Constructionの基準・要領に関しては、ICT施工の対象工種となっている“ICT法面工”にも応じ、横枠のレベル配置や扇形など自動作成される法枠モデルの作成機能を拡充。水切りコンクリートの面積や体積などを自動算出することに加え、法枠形状の3Dモデルや法枠延長も出力して、数量と形状をExcel形式で出力することが実現。2021年3月には、数量の根拠となる求積図や求積表のアウトプット機能も追加されるという。
一方で、VRソフトのTREND-CORE VRでは、コラボレーション機能を実装し、遠隔地にいる複数の仮想体験者が同時に同一のVR空間を共有。JVや協力会社間の遠隔での施工検討、災害復旧の遠隔現地調査や事前協議に役立てられる。
両製品の価格は、TREND-COREがライセンス販売で60万円から、TREND-CORE VRが年額18万円(いずれも税別)。
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