空き家や住宅ストックの利活用を安心して行える買い取り再販型スキーム:プロジェクト
小田急沿線既存住宅流通促進協議会は、国土交通省の「住宅ストック維持・向上促進事業」における提案事業として「(仮称)あんしんストック住宅」を開発し、2020年11月中旬から試行を開始した。空き家・住宅ストックの利活用に貢献する。
小田急グループ、神奈川県信用農業協同組合連合会、川崎市で構成する小田急沿線既存住宅流通促進協議会は、国土交通省の令和2年度「住宅ストック維持・向上促進事業」における提案事業として、2020年11月中旬から「(仮称)あんしんストック住宅」の試行を開始した。
国土交通省の同事業は、住宅ストックの維持保全、性能向上、評価、流通、金融の一体的な仕組みの開発や周知、仕組みの試行により、良質な住宅が取引される市場環境の整備を目的としており、協議会では2017年から提案事業「良質住宅ストック形成および子育て世代流入モデル構築プロジェクト」に取り組んできた。
買取再販型のスキームとして、協議会ではあんしんストック住宅を開発し、第1号試行物件として、小田急多摩線「五月台」駅徒歩4分の築18年、木造2階建、土地面積192.55平方メートル、建物面積117.25平方メートルの戸建住宅を選定した。小田急不動産が取得し、小田急ハウジングがリフォームし、2020年10月末より5480万円(税込み)で販売を開始している。リフォーム内容は、外壁屋根塗装、バルコニー防水、内装、設備交換換気性能の向上などである。
今回の試行では、協議会で定めた物件のインスペクション(建物の現況調査)や、それに基づくリフォーム工事、安心して住むための瑕疵(かし)保険、維持保全計画などの仕組み作りを行い、あんしんストック住宅として認定するとともに、地元JAでは住宅ローン審査において担保評価へ反映する。
協議会では、産・官・金が連携する同スキームの試行を通じ、子育て世代をはじめとする消費者が既存住宅を安心して購入できる環境を整備し、空き家・住宅ストックの利活用という地域課題の解決に貢献していく。
2020年11月より、普及啓発のため川崎市発行「これからの暮らしと家のことを考えるための冊子」に同スキームを掲載している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ハイアス・アンド・カンパニーがエンジョイワークスと協業、地方創生事業を強化
ハイアス・アンド・カンパニーは、エンジョイワークスと、地方創生に関わる事業で協力するための業務提携に関する基本合意を締結した。今後、ハイアス・アンド・カンパニーが主催する「地方創生まちづくりネットワーク」の会員企業が関わる地方創生事業の成果を高める取り組みを両社で推進する。 - 「空き家対策の担い手強化・連携モデル事業」59件を採択、国土交通省
国土交通省は、「空き家対策の担い手強化・連携モデル事業」で応募があった117件の提案の中から59件(地方公共団体4件、民間団体55件)を採択。モデル的な取り組みを支援し、全国に成果の拡大を図る。 - 顧客が内装をWebで選べるマンションリノベの新サービス
クジラと長谷工リフォームは、消費者へのリノベーションの普及を目指し、マンションリノベーションのWebサービス「ユアリノベ」を開発した。 - 「くらそうね」正式版が本格リリース、無料で解体工事の見積もりをAIが算出
平均20日掛かっていた解体工事金額の見積もりを、AIで自動化することで、最短1分に短縮することができるマッチングサービス「くらそうね」が本格始動する。くらそうねによって、施主と工事会社との直接取引が可能になり、従来のハウスメーカーや大手不動産会社を介す際のマージンが発生しなくなり、工事費用も抑えられるようになるという。