大京アステージらがマンション管理をDX化、第1弾は「Web理事会サービス」:製品動向
大京アステージと穴吹コミュニティは、マンションの管理業務を効率化するために、デジタルトランスフォーメーション(DX)を用いた次世代型マンション管理サービスを開発した。
大京アステージと穴吹コミュニティは2020年6月、建物の老朽化や居住者の高齢化、労働者の減少などに対応するため、デジタルトランスフォーメーション(DX)を用いた次世代型マンション管理サービスの開発に着手したことを発表した。
「Web理事会サービス」の開発も推進
両社は、同サービスの開発プロジェクトを「MiDD Project(ミッド・プロジェクト)」と呼称し、マンション管理の実績やノウハウ、ICT(情報通信技術)、AI(人工知能)などを組み合わせたサービスの創出を目指す。
MiDD Projectの第1弾として2020年7月には、管理組合の総会をWeb上で視聴できる「Web総会サービス」の試験的な提供を開始した。両社は、管理組合では新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、総会開催を延期するケースが多く、対処を求められていることを踏まえて、非対面で総会が行えるWeb総会サービスの開発に踏み切った。
Web総会サービスは、通信障害などを想定し、あらかじめ定められた書面や電磁的方法などで、議決権を行使した上で、自宅PCなどから専用サイトにログインして総会を視聴できる。
今後は、場所を選ばず議決権の行使が行えるように改良するとともに、Web総会サービスの機能を活用して、居住者間の意見交換会といった管理組合イベントでの活用や工事説明会、防災セミナー、空き駐車場の抽選会などでの利用も予定している。
また、マンション住民からの問い合わせが多い換気扇フィルターの交換方法などを動画で紹介する「住宅設備メンテナンスの仮想体験」などのコンテンツを追加し、理事会に、実空間とWebのどちらからでも参加可能で、双方向で対話が進められる「Web理事会サービス」の開発を進めていく見込みだ。
MiDD Projectでは2020年秋以降に、管理委託契約書など管理組合と管理会社との間で締結する書面の電子契約システム導入やUXデザインを用いて、居住者から相談やトラブル発生時の緊急連絡、各種申請手続きなどをアプリで簡単にできる環境を整備する。
また、デジタル技術で居住者の健康を支援するヘルスケアサービスやノウハウを蓄積したデータベースから必要な情報だけを抽出するAI技術の開発、AIによる事務業務の効率化にも乗り出す見通しだ。
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