コロナ禍の働き方を提示するABWオフィス、東急Re・デザイン:プロジェクト(2/2 ページ)
東急Re・デザインは、アクティビティー・ベースド・ワーキングを意識し、テレビ会議も含めた仕事の内容によってワークスペースを選べる新型コロナウイルス感染症対策を施したオフィス「ライブオフィス用賀」を2020年9月にオープンした。
接触回数が多い部分に抗菌コーディング
ミーティング&コワーキングスペースは、3室の個室カンファレンスとオープンカンファレンス、コワーキングスペースから成り、個室カンファレンスには、社外関係者との打ち合わせ用スペースで、テレビ会議システムに対応したディスプレイとカメラを配置し、遠隔地のステークホルダーとも話し合いが行える。
コワーキングスペースは、東急Re・デザインの全社員がサテライトオフィスとして使え、新型コロナウイルス感染症対策としては、エネフォレスト製紫外線の照射装置「エアロシールド」を天井に取り付けた。エアロシールドは、特殊な仕切り板を用いた構造で、紫外線の水平照射を実現し、天井付近に紫外線ゾーンを形成して、自然対流によりウイルスが天井に運ばれ紫外線で殺菌する。
「新型コロナウイルス感染症としては、ドアノブやイス、机など接触回数が多い部分に抗菌コーディングを施した。使用する抗菌コーディング剤は、ウイルスを不活性化する作用があり、今後当社で販売することも計画している。また、ウイルスの増殖を抑制するカーペットとクロスを一部の床や壁面に使用した」(雨宮氏)。
プロジェクトワークゾーンは、オフィスの中心にあり、備えられた台形の机は、複数を組み合わせることで、さまざまな形を作れるため、チームメンバーの人数に合わせた作業スペースを構築できる。
ソロワークエリアは、個人作業用のスペースで、大きな資料を広げられるデスク席や窓越しに風景も楽しめるカウンター席、Webミーティングにも活用可能なシェード付き集中席の3タイプを用意した。
Webミーティングスペースは、テレビ会議用の専用ブースを備えており、1人用を3室、2人用を4室、4人用を1室設置した。2人用と4人用のブースは、消音装置を搭載しており、隣接するブースの声が聞こえづらくなっており、両ブースに配置した人感センサーで人の滞在を感知し、ブースが使用中の時は外の表示板が点灯するようになっている。2室のリフレッシュルームは、マッサージチェアが置いてあり、仮眠と休憩ができる。
コミュニケーションラウンジは、キッチンラウンジとリビングラウンジで構成されており、キッチンラウンジはダイニングテーブルが設けてあり、新型コロナウイルス感染症の対策で台所にはタッチレスで水が出せる水洗を取り付けた。ライブラリーゾーンは、専門書や業界紙を置いてあり、社員が建築関連の素材や動向などを学べるようになっている。
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