3眼カメラシステム配筋検査を東根川橋上部工工事で実用化:施工
清水建設がシャープと共同開発した「3眼カメラ配筋検査システム」が、東北中央自動車道東根川橋上部工工事の配筋検査で初採用。検査業務の精度を維持しつつ、効率化し、安全性も向上する。
清水建設とシャープが共同開発した「3眼カメラ配筋検査システム」が、東北中央自動車道東根川橋上部工工事の配筋検査で初採用された。
本件は、国土交通省による官民研究開発投資拡大プログラム「PRISM(Public/Private R&D Investment Strategic Expansion PrograM)」を活用した「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」によるもの。国土交通省発注の工事でデジタル化された配筋検査システムの採用は初であるという。
橋梁は10日程度のサイクルで施工が進み、配筋検査の機会が多い。現場での検尺ロッドによる検査では多くの手間と時間を要してきた。同システムは、橋面躯体工の段階確認検査で検査性能を維持し省人化する。橋梁は橋長236mの3径間連続PCラーメン箱桁橋、最大支間長110mで、工期は2020年12月25日までとしている。
同システムは3眼カメラとシステム制御ソフトで構成、3つのカメラで異方向から同時に撮影し、三角測量の原理を応用して画像データの3次元情報を取得する。検査対象を撮影するだけで、制御ソフトが画像から鉄筋を抽出し、縦・横方向の鉄筋径や配筋の平均間隔、本数、重ね継手の長さ、かぶりを計測し、7秒後に検査結果を表示、検査帳票を自動作成する。一度に撮影できる範囲は1m四方。複数の撮影結果を合成した広域の検査結果を取得でき、検査結果とCIMの配筋図データとを重ね合わせて、背筋の妥当性が確認可能だ。
精度は鉄筋径で±1ミリ、配筋の平均間隔で±5ミリと工事管理基準内で、二段配筋などの複雑な配筋検査にも対応する。離れた場所からの検査が可能で足場などが不要となり、精度を保ったまま検査に要する人員、時間もそれぞれ3分の1以下となり、安全性も向上するという。
将来は遠隔臨場システムを組み合わせ、発注者の立会検査を代替し、さらに効率化していく考えだ。リモート対応や非接触の仕組みにより感染症対策も想定する。
同社は今後、土木工事の発注者に対して本システムの有用性を提案し、全国の現場で展開していく。着工中の国道45号線新思惟大橋上部工工事でも同システムの採用が内定している。
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