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奥村組の技術研究所、実験施設の新設とZEB化など大規模リニューアル:ZEB(2/2 ページ)
奥村組は、茨城県つくば市の技術研究所内で大規模リニューアルとともに新設を進めていた実験施設が2020年7月末に竣工した。リニューアル工事では、実験棟の新設以外にも、管理棟のNearly ZEB化、南海トラフ地震などに伴う長周期地震動を再現する機器の導入、高機能化するコンクリート材料に対応する研究を行う試験装置の導入を行った。
1次エネ消費量を75%削減、Nearly ZEB認証を取得
材料実験棟は、コンクリート系試験室、岩石/土質系試験室、分析室で構成し、建設材料の力学的特性や物性、組成を把握する試験装置を集約した施設。今回、作業環境の改善と作業効率の向上を図るため、設備機器を全面的に更新し、多様な環境条件への対応が可能な温度可変コンクリート混練室を整備した。施設規模は、S造地上1階建て、延べ824.42平方メートル。
管理棟のZEB化は、外壁および開口部の高断熱化、高効率空調、タスクアンビエント照明、昼光センサーによる調光照明などの省エネルギー技術を採り入れ、太陽光発電パネルによる再生可能エネルギーを加えることで、建物の1次エネルギー消費量を基準ビルに対して、75%以上を削減。BELS評価で、Nearly ZEBの認証を取得した。今後は、運用段階の省エネルギー効果を確かめつつ、快適性や健康性などに寄与する技術に対して実践と検証を重ね、省エネルギーで働きやすい空間づくりの推進に活用していくとしている。
管理棟は、1986年に日本初の免震ビルとして竣工し、築後33年が経過したRC造地上4階建て、延べ1330.10平方メートルの建物。
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