三井不動産が海外で初の賃貸ラボ・オフィス事業に参画:プロジェクト
三井不動産はこのほど、2019年5月から国内で展開していた賃貸ラボ・オフィス事業で、ライフサイエンス分野の研究開発が旺盛で成熟した市場を形成している米ボストン市に進出することを決定した。
三井不動産は2020年1月、米国子会社Mitsui Fudosan Americaを通じて、米マサチューセッツ州ボストン市で、海外で初の賃貸ラボ・オフィス事業となる「(仮称)イノベーションスクエアPhaseII」に参画したことを発表した。共同事業者は、ニューヨーク・マンハッタンで行ったハドソンヤード再開発でのパートナー企業Related Companiesの系列企業でボストンに拠点を置くRelated Beal。
延べ床面積は約2万8400m2
イノベーションスクエアPhaseIIは、地下1階、地上4階、塔屋1階建てで、延べ床面積は約2万8400平方メートル。所在地は、316-318 Northern Avenue、Boston、Massachusettsで、敷地面積は約9100平方メートル。賃貸面積は約2万5000平方メートルで、用途はラボやオフィス、店舗を予定しており、2020年に着工し、2021年に竣工する見通しだ。
イノベーションスクエアPhaseIIが位置するボストン圏域は、米国において学術と経済の中核エリアの1つで、ヘルスケアとバイオテクノロジーの産業をベースに大きく成長を続けている。中でもイノベーションスクエアPhaseIIは、ボストン市主導で再開発を推進しているウォータフロント「シーポートエリア」に位置し、ラボとオフィスが集積している。近年は、開発が徐々に進展し、ボストンで最も多くライフサイエンス企業が集まるイーストケンブリッジに次ぐ新たな職住遊近接の街が形成されている。
さらに、イノベーションスクエアPhaseIIは、ボストンサウス駅やローガン国際空港、周辺高速道路から公共交通機関を用いてアクセスしやすく、最寄りのバス停から徒歩1分と至近で、交通利便性にも優れている。
今後、三井不動産は、国内と海外ともにライフサイエンス分野の研究を支えるインフラとして賃貸ラボ・オフィス事業を拡大する見込みだ。この他、今回の事業参画に伴い、ボストン市に本社を置く新薬の開発製造を行うライフサイエンス企業Vertex Pharmaceuticalsへの1棟貸しも決まっている。
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