100億円の出資で国内外のベンチャーと協業、建設ICTを加速させる清水建設:業界動向
清水建設は、BIM/CIMを含む建設ICTやロボット、AIなどのテクノロジー導入や新規事業の開拓を目的に、国内外のスタートアップ企業を資金面で支援すべく、100億円の出資枠を確保した。
清水建設は2020年7月16日、R&Dの強化と事業領域の拡大に向け、国内外のベンチャー企業やベンチャーファンドを対象に100億円を上限とする出資枠を設定したことを明らかにした。
併せてフロンティア開発室に、出資先候補の評価や選定、出資後のモニタリングを行うベンチャービジネス部、出資可否の迅速な意思決定を行う審議機関として「ベンチャー投資委員会」を設置した。
今回の出資は、2019年に策定した中期経営計画(2019〜2023)の重点戦略「次世代の建設技術や地球規模の課題解決型新規事業への投資」に基づく施策の一つ。主に技術開発や事業化段階(アーリーステージ)のベンチャー企業やベンチャーファンドに出資することで、将来性のある企業との協業、オープンイノベーションによる建設ICT、ロボット、AIといった先端技術の導入、新規事業領域のビジネスモデル構築、スタートアップ企業との技術提携や業務提携などを目的としている。
第一弾の出資先は、高性能無線通信技術の開発ベンチャーとして注目されている「PicoCELA」を選定。協業を通して行う技術開発で、工事現場のICT基盤の高度化に取り組んでいく。PicoCELAは、ケーブルレス&無線多段ホップ技術の応用製品や企業向け無線LAN親機を搭載した高性能エッジコンピュータ製品の開発を手掛ける2008年創設のベンチャー企業。
今後の投資は、ベンチャービジネス部と清水建設のシリコンバレー拠点「シミズシリコンバレーイノベーションセンター(駐在員事務所)」で、有望な国内外のベンチャー企業に直接、またはベンチャーファンド経由で機動的な出資を行い、戦略的なオープンイノベーション活動を展開していくとしている。
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