ウェアラブルカメラシステム「MET-EYE」、シンプルな構造で容易に使用が可能:現場管理(1/2 ページ)
エコモットは、人手不足や高齢化などを背景に生産性向上が急がれている建設現場の作業効率を促進するウェアラブルカメラシステムや安全性を高めるオブジェクト認識システムの開発を進めている。
エコモットは2019年8月2日、東京都中央区のアットビジネスセンターで、セミナー「今日からはじめる『i-Construction』〜ICT(AI/IoT)を活用した建設現場の生産性向上〜」を2部構成で開催した。
第1部では、エコモット 経営企画部 マーケティンググループの國塚篤郎氏が「i-Constructionとはなにか」と題した講演を行った。
AIを活用し、建設現場の危険行動を抽出
國塚氏は、IoTやAI、デジタルトランスフォーメーション(DX)の基礎的なことやi-Constructionに対するそれぞれの役割を独自の解釈で説明した。
IoTは、「モノのインターネット化」と訳され、あらゆるモノをインターネットに接続し、データ収集することで、新たな価値を創造する概念。IoTの性能は3段階に分類されており、フェーズ1は見える化、フェーズ2は制御、フェーズ3は最適化・効率改善の自動化を行う。
AIは、言語の理論や推論、問題解決などの知的行動を人間に代わってコンピュータに行わせる技術。近年は、「ディープラーニング(深層学習)」が主流となっている。
國塚氏は、「AIが目指すべきことは、技術力のサポートだと考えている。例えば、達人、上級者、中級者、初心者がいる場合、AIを活用することで、初心者や中級者が達人同様の仕事が行えるようにすることが目標だ」と語った。
さらに、「現在、当社ではAIを利用し、試験的に建設現場の撮影画像から物体検知や3次元推定、動きの抽出による重機と作業員の近接を検出している。作業員のさまざまな行動を見える化し、どういった動作が危ないかというのを導き出せるシステムの開発を目標としている」と続けた。
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、企業がデジタルテクノロジーを使用し、事業の業態や対象範囲を根底から変えるものと解説。
國塚氏は、「既にデジタルはリアルと一体不可分となっており、大半の人が日常生活でも意識せずに関与している。DXは全産業に波及する不可避な流れにある。全企業が、デジタルテクノロジーを取り込んで、自らビジネスモデルを変革するか、デジタルネイティブな新興プレイヤーに取って代わられるかの選択に迫られている。そして、IoTやAIはDXだけでなく、i-Constructionの手段でもある。つまり、i-Constructionは土木建設産業のDXとも考えられる」と述べた。
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