ルクレが「蔵衛門御用達2020 Professional」に出来形管理機能を実装、無償提供を開始:製品動向
ルクレは、工事写真管理ソフト「蔵衛門御用達シリーズ」の利用者の約4割が公共工事を担っていることや業界で出来形管理業務のIT化が遅れていることを踏まえ、「蔵衛門御用達2020 Professional」に、出来形管理機能を追加した。
ルクレは2020年4月7日、工事写真管理ソフト「蔵衛門御用達2020 Professional」に、出来形管理機能を実装し、無償提供を開始した。
国土交通省が指定する出来形管理図表のテンプレートを標準搭載
みずほ産業の調査によれば、建設業界の市場規模は年間約60兆円で、全体の3分の1を占めるのが、国土交通省の直轄工事となっている。政府は、国民の生活を支えるインフラの老朽化対策や災害復旧のための土木工事などへの建設投資を年間20兆円規模で2024年まで継続するため、今後も安定的な需要が見込まれる。
公共工事において、出来形管理は必須の業務で、施工計画に記載されている規定値と実測値の差を分かりやすいグラフ(出来形管理図表)にまとめて発注者へ提出することが求められる。また、測量時の様子を撮影し、写真報告書として提出する義務もある。出来形管理は、電子小黒板の導入が進み作業効率が上がっているが、まだ、測量結果の紙への記入やExcelでの手入力など、IT化が遅れてる工程も少なくない。
同社は、人手不足などを理由に生産性向上が求められる建設業界で、出来形管理のIT化を推進するために、今回の機能を開発した。
出来形管理機能は、国土交通省が指定する出来形管理図表のテンプレートを標準搭載しており、入力作業を軽減する。出来形管理図表のテンプレートの作成に応じている上、施工結果が一目で分かるグラフを自動で作り上げられる。自由度が高くカスタマイズ可能なCAD図面を436点収録し、出来形管理図表やCAD図面のテンプレートの社内共有も可能。さらに測定値を入力するだけで、誤差を自動的に割り出す計算式を搭載している他、視認性が高い本棚ユーザーインタフェースで出来形管理図表を管理する。
今後、同社では、2020年の夏までにスマートフォンアプリ「蔵衛門出来形」を公開する予定。蔵衛門出来形は、測量結果をスマートフォンに入力可能で、場所を選ばず出来形管理業務に取り組め、手袋を外さずに入力できる音声入力機能なども搭載している。測量結果は、指定したPCの出来形管理図表へ自動で反映され、蔵衛門電子小黒板シリーズと連携することで、測量結果が反映された黒板入りの工事写真も作れる。
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