ニュース
清水建設がマスクの代わりに「マウスシールド」を全国の現場で導入:導入事例
清水建設は、新型コロナウイルス感染症を防ぐマスクが夏場の建設現場では熱中症につながる恐れがあるとして、口の部分を透明なフィルムで覆う「マウスシールド」を、全国の現場で適用することを決めた。
清水建設は、新型コロナウイルス感染症の対策と夏場の熱中症を防ぐべく、全国の建設現場に「マウスシールド」を配備することを決めた。第1弾として、2020年5月末に3万1000個を既に調達しており、現場へ順次、配布していく。
清水建設はこれまでに、感染症対策として、手洗いや手指の消毒、三密の回避、現場内の消毒といった徹底とともに、現場作業時のマスク着用もルール化した。しかし、夏場のマスク着用は、熱中症のリスクを高める懸念があるため、熱中症と飛沫感染の予防が両立できる対策方法を検討していたという。
導入するマウスシールドは、顎に装着するプラスチックパッドに、口の周りを覆う透明なプラスチックフィルムを定着させている。着用者が息苦しさを感じることなく、唾液の飛散を防ぐ。ヘルメットを被ったままでも使用できるため、屋外の現場で施工管理にあたる社員や作業員が着用することになる。
清水建設では、屋外は3密が無く、適切なフィジカル・ディスタンスを保ちながら、コミュニケーションが図れるため、口を覆うマウスシールドでも十分な効果が見込めるとしている。
今後は、マウスシールドとともに冷感マスクの調達も進め、現場それぞれの条件に応じて、マウスシールドまたは冷感マスクのどちらかの着用を推奨する。なお、冷感マスクを着用する場合は、1時間ごとに休息を設けるなど、熱中症対策を採ることを条件にしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 建設会社や行政が新型コロナウイルスへの対策を発表、テレワークや消毒液設置などを推奨
国内外で猛威をふるう新型コロナウイルスが建設業界にも影響を及ぼしている。現状での大手建設会社や自治体の関連部署が発表した新型コロナウイルスへの対応策をまとめた。 - 【緊急提言】「新型コロナ」災害をBIMによる業務改革の好機とすべし!
新型ウイルスの感染拡大により、2020年4月に緊急事態宣言が発令され、建設業界でも、新規受注の減少、設計の在宅勤務、工事中断など、多大な影響が顕在化してきている。ワクチンなどによる鎮静化をただ待つだけでなく、建設業にできることは果たして何もないのだろうか?新型コロナウイルスだけに限らず、自然災害や労働災害といった災害に対し、BIMなどの先端技術を使って何ができるのか、いま一度再考してみよう。そして、この災害を、自らの仕事を変える好機と捉え、業務改革を実現しよう。 - 「東京スカイツリー」のライトアップにパナソニックLS社のLED投光器が採用、地上497mへ見に行った
夜の東京スカイツリーを灯すLED照明が2020年2月に刷新された。2020年に開催を予定していた東京五輪に合わせ、通常の「粋」「雅」「幟」の照明デザインに、躍動感が加わり、東京の新たなシンボルとして生まれ変わった。LED投光器は、パナソニック ライフソリューションズ社の製品が新規で347基も採用され、スカイツリー仕様にカスタマイズされた。普段は、滅多に人が立ち入ることが無い497メートル地点まで登り、スカイツリーのライティング増強プロジェクトの裏側を取材した。 - 「中断継続と再開」“緊急事態宣言”延長でゼネコン各社に違い、鹿島はGWに6割の現場閉所
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴う、政府の緊急事態宣言が2020年5月31日まで延長されたことを受け、大手ゼネコでも工事中断を継続か再開か、各社それぞれで異なる方針を打ち出す動きがみられた。