アフターコロナで不可欠となる“Teams”や“WVD”の活用事例、日本マイクロソフト:Withコロナ(2/2 ページ)
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、米マイクロソフトが提供するコラボレーションプラットフォーム「Microsoft Teams」とDaaS(Desktop as a Service)「Windows Virtual Desktop(WVD)」の利用が世界各国で拡大していることを受け、日本マイクロソフトはアフターコロナの働き方改革に有効なツールとして普及を推進している。
Server VDIからWVDに変更して運用コストを4分の1に
講演の中盤には、Microsoft TeamsとWVDの活用事例として、北九州市立大学やとっぺんのケースに触れた。
北九州市立大学は当初、Server Virtual Desktop Infrastructure(VDI)を構築していたが、ランニングコストの高さやパフォーマンスの低さに頭を抱えていた。解決策として、Server VDIの利用を中止し、WVDを導入して、パフォーマンスの改善やServer VDIと比較して4分の1の運用コスト削減を実現した。現在は、WVD上で、Microsoft Teamsを使える環境を整備している。
文化財のデジタル化などを展開するとっぺんは、地方の優秀な人材を雇用し、社員が長く働ける環境を構築するためにMicrosoft Teamsを導入した。事前に、とっぺんの担当者が日本マイクロソフト主催のイベント「Empowered JAPAN」に参加し、オンラインでのファイル交換やテレビ会議の必要性を学んでいたという。
Microsoft Teamsを採り入れた後は、地方に埋もれている人材の雇用とテレワークが可能になった。国内で新型コロナウイルスの感染が拡大した際には、社内で勤務する従業員にもテレワークを適用し、社員の安全を守った。
山口フィナンシャルGはSurface約600台をテレワークPCに
次に山口フィナンシャルグループの來島氏が登壇し、テレワークへの移行例を示した。
山口フィナンシャルグループは2020年2月下旬、新型コロナウイルス感染拡大の対策として、本部社員を中心に従来のワークスタイルからテレワークへの移行を検討した。テレワーク用のPCが不足していたため、店舗の営業担当者用に配布を予定していたタブレット端末「Microsoft Surface」約600台をテレワークPCの代わりとして用意。さらに、テレワーク対象者は、Microsoft Teamsのテレビ会議機能を円滑に使えるように、使用方法がレクチャーされた。
2020年3月初旬以降は、窓口業務の担当者など、顧客に対面での対応が求められる社員以外は原則テレワークとした。
來島氏は、「社員のテレワークをスムーズに進められた要因の一つは、2019年1月にクラウド型オフィスソフト“Office 365”を全社で採り入れたことがある。グループ会社に勤務する社員の在籍状況やスケジュールなどのデータを共有することが容易になった。加えて、2019年8月〜2020年3月まで、主に本部の業務で使用していた紙の帳票をデジタル化し、ペーパーレスを進めたことも、テレワークを後押しした。具体的には、2020年4月に本部で印刷した書類の枚数は、前年同月比で96万枚減った」と補足した。
現在、同グループでは、テレワーク勤務者の増加に伴い、専用ネットワーク回線に負荷がかかっていることを受け、社内ポータルサイトで専用ネットワーク回線の利用がピークになる時間帯を表示し、利用する時間帯をずらすように注意喚起するとともに、営業と事務の業務で、専用ネットワーク回線への通信経路を変え、アクセスが集中することを防いでいる。
今後は、テレワーク用PCの代替品となっていたMicrosoft Surfaceを本来の使用目的であった営業担当者用に戻し、テレワーク用PCを新たに購入する。さらにWVDなどを活用し、個人のPCなどでも社内システムにアクセスできるようにし、非対面で営業活動が進められる仕組みも検討していく。
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