大成建設が米国で既存オフィスビル2棟の権利を取得、20年ぶりの投資:プロジェクト
大成建設は、米国マサチューセッツ州のオフィスビル「141 Tremont Street」「27 School Street」の権利を取得した。同社が米国で既存ビルに投資するのは約20年振りとなる。
大成建設は、米国の現地法人であるTaisei USAを通じ、米国マサチューセッツ州のオフィスビル「141 Tremont Street」「27 School Street」の過半に及ぶ権利を取得した。
北米での開発事業のノウハウ取得も目的に
同社が権利を得た経緯は、現所有者のNTT都市開発から持ち分の一部譲渡を受けたため、今後は、NTT都市開発、現地デベロッパーであるSynergy Investmentsの3者で、2物件を共同所有することになる。
141 Tremont Streetは、地上13階建てで、貸床面積6377平方メートル。所在地は141 Tremont Street Boston MAで、1972年竣工の米国で最古とされる都市公園「Boston Common」に面した眺望の良いオフィスビル。
27 School Streetは、地下1階/地上6階建てで、貸床面積5799平方メートル。所在地は27 School Street Boston MAで、下層部には飲食店や物販店、上層部にはオフィスの構成で、竣工は1903年。
両物件とも、ボストン市の中心部に位置し、アメリカ独立宣言が行われた旧州議事堂などが位置する歴史的エリアであると同時に、商業施設やレストラン、ホテルなどが多く連なるオフィスエリアとしても人気の高い地域とされている。地下鉄「Downtown Crossing」駅をはじめ、他の地下鉄駅に近く、交通利便性にも優れた立地となっている。
大成建設は、2018〜2020年の中期経営計画で、海外事業の持続的な成長を最重要課題と位置付けている。海外における施設の開発事業は、これまで、施工体制が整っているアジアを中心に投資を検討していたが、今回の案件を機に、北米での開発事業のノウハウを獲得し、将来的に海外事業の拡大や収益基盤の強化に乗り出す見通しだ。
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