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JR東海が工事費約66億円をかけリニア走行試験装置を新設:産業動向
東海旅客鉄道はリニアの安全性向上や状態監視システムの構築、建設の効率化を目指し、工事費約66億円をかけ、リニア走行試験装置を開発した。
東海旅客鉄道(JR東海)はこのほど、超電導リニア技術のブラッシュアップや建設、運営、保守の効率化を目指し、実際に車両を走らせずに、模擬的に走行試験を行える「リニア走行試験装置」を愛知県小牧市の小牧研究施設に新設し、2020年3月6日から試験を開始した。
新装置は、実物の車両と同じ大きさと重さの模擬編成車両を利用する。地上に設置した電磁加振装置に電流を流すことで、磁力により模擬編成車両を浮上させ、乗り心地向上確認試験と超電導磁石の長期耐久性試験を試せる。また、加振台で電磁加振装置などを横方向に揺らすことで、地震時や軌道(ガイドウェイ)のズレにより生じる車体の震えを想定した試験に取り組める。
乗り心地向上確認試験は、同装置で走行時の車両の振動を再現し、空気ばねやダンパーの設定を変化させ、乗車性を確認する。超電導磁石の長期耐久性試験は台車に取り付けた超電導磁石に走行時に発生する特有の振動を長時間与え、耐久性を確かめる。
搭載された車両や超電導磁石、地上コイルには、山梨リニア実験線では設定が困難な異常状態や軌道のズレを模擬的に設けることで、意図的に各設備の故障を促し、壊れる際の予兆を調べ、状態監視システムの構築に生かす。
さらに、加振台で電磁加振装置を横方向に揺らすことで、地震時の車両と地上設備の揺れを再現し、リニアの安全性を高いレベルでチェックする。
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