JR芦屋駅南地区1.1haで、東急・竹中JVの再開発始動
兵庫県芦屋市の商業・業務機能が集結するとともに、阪神間および芦屋市の主要な広域交流の結線点であるJR芦屋駅南地区の再開発事業が、20年超の歳月を経て着手される。
芦屋市は、JR芦屋駅南地区の「第二種市街地再開発事業」について、施設建築物の基本設計や道路・交通広場の概要をまとめ、2018年2月16日〜3月1日に事業計画(案)の縦覧を実施。県から同年5月10日に認可されたことを受け、5月30日付で事業計画を決定したと発表した。同事業の施行期間は2023年3月31日まで続く。
事業計画の施行地区は、JR芦屋駅の南側にあたる業平町、上宮川町、船戸町、大原町の一部で、面積は約1.1ha(ヘクタール)に及ぶ。事業協力者は東急不動産・竹中工務店JV(共同企業体)。
施設建築物の概要は次の通り。敷地面積約2600m2(平方メートル)、建築面積約2080m2、延べ床面積約1万3290m2(容積対象約9780m2)。構造はRC造(一部S造)で、地下1階・地上12階建て、高さは約45m(メートル)。
主な用途は住宅、商業施設、公益施設、駐車場。住宅エリアは総延床面積約4890m2・総戸数54戸で、1戸あたりの延べ床面積は約90m2となっている。
施設建築物の周囲は、北側と西側の一部を交通広場、東側を市道185-3号線、南側を市道354号線がそれぞれ囲む。駅前にあたる約6100m2の交通広場は、バスターミナルやタクシー乗り場などを整備。歩行者空間も、区画道路と一体的に快適で安全なものに整備するという。
同事業計画の合計支出は130億4200万円で、工事費は128億100万円。本工事費は52億4900万円で、建築施設が46億5500万円、公共施設が5億9400万円を占める。収入源は、公共施設管理者負担金の69億2900万円、市街地再開発事業補助金の14億5400万円、保留床処分の46億5900万円で確保する資金計画となっている。
初期構想から20年を経て再開発事業が本格始動
JR芦屋駅南地区のまちづくり構想は、1998年6月設立の地元組織「JR芦屋駅南地区まちづくり研究会」(2014年に協議会へ名称変更)が中心になって進められてきた。当時、同研究会が1999年11月に第1次、2000年12月に第2次まちづくり構想を市へ提出し、再開発事業が本格的に計画されたものの、市の財政状況悪化により都市計画決定手続き前の2001年12月に事業実施の延期を決定。
10年が経過した後、2011年3月策定の「第4次芦屋市総合計画」により、上記計画が検討再開された。2016年12月にはまちづくり基本計画を策定し、2017年3月に市街地再開発事業などの都市計画を決定し、8月から事業協力者の募集を始め、応募者7者のうち、11月に東急不動産・竹中工務店JVを選出した。
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