三井不動産レジデンシャルが家に居なくても玄関まで荷物が届くサービスを開始:産業動向
三井不動産レジデンシャルは、マンションの居住者が、不在時に配達物を家の中で受け取れる新サービスをスタートした。
三井不動産レジデンシャルは、近年増加する共働き世帯のニーズを考慮し、2020年4月1日から、東京都中央区の分譲マンション「パークホームズ月島二丁目」で、居住者が自宅不在時に、配送業者が、食材などを家の中へ配達する「ナカ配サービス」を開始した。
共働き世帯率は過去最高の66%
ナカ配サービスは、建物内のスマートロックとセキュリティカメラが連携し、居住者が家に居なくても、提携した配送業者が荷物を届けられる仕組みで、三井不動産グループが提供する会員向けサービス「三井のすまいLOOP」のメニューに追加される。
ナカ配サービスのワークフローは、まず、居住者があらかじめスマホにダウンロードした専用アプリに、建物のエントランスに配送業者が訪れたことを告げる来客通知が来る。居住者が専用アプリで、有効日時と回数制限を定めたデジタルキーを配送業者に発行する。事前に、デジタルキーを発行することで、解錠応対の手間が省ける。
配送業者は、居住者の自宅前で、スマホにダウンロードした専用アプリを起動し、デジタルキースタンバイ画面を開き、玄関錠のボタンを押し、ドアを解錠する。ドアが解錠されると、室内の監視カメラが録画を始め、外部から住人が専用アプリで監視カメラの映像を確かめ、スマートロックの外部サービスで懸念される盗難などの防犯にも役立つ。ナカ配サービスは、宅配だけでなく、提携した家事代行業者への応対にも使える。
三井不動産レジデンシャルが、ナカ配サービスをスタートした要因には、昨今、共働き世帯が増えていることと、共働き世帯がスマートロックを活用した不在時のサービスを求めていたことがある。リクルート住まいカンパニーの調査によれば、2018年に既婚世帯の共働き世帯率が、過去最高の66%に到達した。
また、三井不動産レジデンシャルが、このほど実施したリサーチ「不在時サービスの受容性調査」によれば、マンションにおけるスマートロックを活用した不在時サービスに魅力を感じるかという質問に対し、共働き世帯が特に賛同したことが明らかになっている。
これまで、三井不動産レジデンシャルは、2018年度に共働きをしている女性社員によるプロジェクトチームを立ち上げ、共働き世帯を支援する施策として、マンションの空地部分に手作り料理を販売するキッチンカーを誘致する「月夜のキッチン」や時間を選ばずに生鮮食品を受け取れるECサービス「クックパッドマート」を導入し、共働き世帯の生活における利便性向上に、貢献してきた。
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