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市場を激変させる「住宅サブスクリプション」始動、“月額5万”で売れ筋の高性能住宅が販売可能に大手ハウスメーカーに対抗、2025年に1.4万棟目標(1/4 ページ)

地方の小さな工務店であっても、月額わずか5万円を支払うだけで、建材メーカーの技術の粋を集めた高性能住宅が、自社ブランドとして販売できる時代がやって来る。提供される住宅はパネル式で、デザインや住宅建材がパッケージ化されており、耐震性で等級3・断熱性でHEAT20 G2と高い性能を有する他、スマートキーなどのIoT機器や大工不足を解消する職人マッチングサービスなども用意されている。住宅の価格帯はおよそ1600万円で、年収400万円前後の層をターゲットに、2025年度には1万4000棟の販売をねらう。

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 高性能住宅のパッケージを全国のビルダーが共有し、自社ブランドとして販売・施工できるプラットフォーム「HOME i LAND(通称:HiLハイル)」が、ワールドハウジングクラブによって2019年10月10日から本格運用を開始する。

住宅のサブスクリプションとは何か?

 HiLは、大手住宅メーカーではなく、これから販路を拡大したい中小の工務店やビルダー、住宅設計士を対象としたシェアリングサービス。加盟するビルダーは、入会金ゼロ円で月額5万円(税別)のサブスクリプション契約を結び、既に販売実績のある高性能住宅の全てがパッケージ化されたラインアップから自由に選べば、プランや設計図書、販促ツールなどを受け取れる。建築資材は別途、資材メーカーから有償で購入する必要がある。

 一方で、自社が扱う住宅の販路を拡大したいビルダーや住宅設計士にとっては、商品開発プログラムの審査合格後に出店料を支払えば、自身の住宅商品をHiLへ出店することができる。施工される度にロイヤリティーが入り、これまで十分な販路を開拓できなかった中小の会社でも、HiLを介して、全国展開することが実現する。


「KIT HOUSE」の初期ラインアップ。順次モデルは拡充されていく

 HiLの中核となるプラットフォームには、建材メーカーなどが36社が応援企業として参画しており、次世代の住宅建材やIoTサービスなどをHiL専用で提供していく。

 その最大の象徴といえるのが、耐震性(等級3)と断熱性(HEAT20 G2)の高性能住宅を実現するYKK APの高い技術をベースにした「未来パネル」。耐力壁と断熱材、窓を1つにした次世代型のパネルユニットで、全モデルに標準搭載される。従来よりも施工期間を25%削減(4カ月→2.5カ月)し、省人化によって人件費も抑えられる。工場で住宅の部品としてパネル化されるため、現場では上棟1日で構造・壁・窓・屋根が完了し、2トントラックにも平積みできるので、狭小地への運搬にも適応する。

 窓は、タテ/ヨコの両方で開閉する2アクションのトリプル樹脂窓を採用し、海外でよく見られる“内付け納まり”構造。カビが室内に入る要因とされている網戸は、マジックテープ式のため着脱が容易で、汚れたら誰でも取り替えられる。

2アクション開閉のトリプル樹脂窓

マジックテープ式の網戸

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