フジクラ、長野県大町市と市民参加型IoTの実証実験開始:産業動向
フジクラとIoTBASEは長野県大町市と共同で、「市民参加型スマートシティ」を目指したIoTの実証実験を開始した。地図システムを利用したプラットフォームを構築し、安心・安全な町づくりを目指す。
フジクラとIoTBASEは2020年2月3日、長野県大町市と共同で、「市民が参加して町づくりを行うスマートシティ」を目指した実証実験を2020年1月より開始したと発表した。GPSを使用した高齢者や子どもの見守り、公共車両の位置情報の提供、子ども安心・安全マップなど、同じ地図システムをベースとして展開することで、複数の業務やサービスに使用できる「地図システムプラットフォーム」の構築を行う。2021年度から部分的にサービスを開始し、業務の効率化、導入/運用コストの削減、市民サービスの向上、安心・安全な町づくり、観光の促進などを目指す。
同市とフジクラはIoT技術を活用して市民サービスの向上を図るため、実証事業の実施とそれを通じて適用技術の検証を行うことを目的とする協定を2018年10月に締結。両者はこの協定に基づき、GPSトラッカー、それを収納できる履き心地のよい見守りシューズ、地図システムを使用した高齢者の見守り、除雪車両の作業効率の最大化、高齢者の健康サポート事業などにおいて実証実験を進め、それらの導入効果を確認してきたがシステム導入にあたりコストが課題であった。また、「子ども安心・安全マップ」をWebで公開し、市民に情報を提供してきたが、最新の情報を反映できていないことや、サーバのシステム費用が課題になっていた。
今回の実証実験は同市全域を対象とし、GPSを使用した高齢者や子どもの見守り、公共車両の位置情報の提供、子ども安心・安全マップなど、両者が必要と考えるサービスを同じ地図システムをベースとして展開。これにより複数の業務やサービスに使用できる「地図システムプラットフォーム」の構築を目指す。プラットフォームはIoTBASEの汎用ソフト(IoTCanvas)をベースとする。実験の1つである「子ども安心・安全マップ」では市民から容易に情報を提供できる仕組みと、投稿された情報を「子ども安心・安全マップ」上で公開するための承認プロセスを検証する。このほか、高齢者や学校イベント時の学童見守り、臨時バス運行情報の公開、除雪車の稼働時間の適正化と稼働状況の把握、巡回バスの位置情報の提供などを行う。
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