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クラボウの体調管理システムに新機能、朝から晩まで作業員の状態を可視化第6回ウェアラブル EXPO

近年、平均気温の上昇などにより熱中症の被害が増加傾向にある中、屋外や高温多湿な環境で作業を行う建設業では、暑熱環境下における作業リスク対策へのニーズが高まっている。倉敷紡績(クラボウ)はこういった現場の状況を踏まえ、建設業向け体調管理システム「Smartfit for work」の機能拡充を進めている。

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 倉敷紡績(クラボウ)は、「第6回ウェアラブル EXPO」(会期:2020年2月12〜14日、東京ビッグサイト)に出展し、建設業向け体調管理システム「Smartfit for work」の新機能や新サービスを紹介した。

ウォッチタイプとイヤータイプにも対応

 Smartfit for workは2018年5月に発売された製品で、屋外や高温多湿な環境で業務を行う作業員の熱中症予防を目的に開発された。Smartfit for workのワークフローは、まず、作業者がセンサーを搭載した専用のシャツを着て、心拍や温度、加速度などの生体情報をセンサーが取得する。

 得られた生体情報は、スマートフォン経由でクラウドにアップロードされ、作業地域の気象情報を踏まえた解析アルゴリズムにより分析される。作業者が危険な状態の場合には、アラートをクラウド上のダッシュボードに表示したり、メールで現場監督に知らせる。通知する情報は、暑熱作業や体調変化、転倒転落に関するリスクデータに対応している。


Smartfit for workのダッシュボード

 新機能の1つは、ウォッチタイプとイヤータイプのウェアラブルデバイスと連携が可能になったことだ。シャツタイプは衣類のため、作業後に使い回しが難しいといったユーザーの声を反映し、他のウェアラブルデバイスと連携するに至ったという。ウォッチタイプは富士通製「バイタルセンシングバンド」で、イヤータイプはミズノ製「MiKuHa」の採用を予定している。

左から、Smartfit for work専用シャツ、富士通製「バイタルセンシングバンド」、ミズノの「MiKuHa」

 もう1つの新機能は、新開発の体調評価アルゴリズムにより、ウェアラブルデバイス着用後、約10分で、生体情報をモニタリングできるようになったこと。クラボウの担当者は、「従来、Smartfit for workは、作業者がウェアラブルデバイスを装着してから数時間経過しないと生体情報を読み取れなかった。そのため、始業時や急激な体調変化をデータ化するのが困難だった。新機能により、作業開始時から終業時まで、リアルタイムに生体情報を取得し、蓄積することが容易になったので、個人に適した体調管理の方法を判断しやすくなった」と説明した。


リアルタイムの体調評価のイメージ

 新サービスは、Smartfit for workで収集したデータをクラボウが解析し、改善案を提出するというもの。クラボウの担当者は、「例えば、ファン付きと通常の作業服を使用したケースを比較し、両製品の効果検証などを現場ごとに進められる。また、各工程で、作業員が感じているストレスを見える化し、業務内容の改善や効率的な休憩のとり方などを提案することを想定している」と解説した。


ファン付きと通常の作業服を比較した効果検証のイメージ

 Smartfit for workの新バージョンは2020年夏ごろのリリースを見込む。Smartfit for workの価格は、1ユーザーの初期設定費用が3万円で、月額費用が6000円。Smartfit for work専用シャツが1枚4000円(いずれも税別)。

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