揺れや温湿度をリアルタイム監視、エプソンとAnalog Devicesのセンサーを採用:第24回「震災対策技術展」横浜(2/2 ページ)
ナレッジフォーサイトは、加速度と温湿度などを測るセンサーを活用して、地震が発生した時の揺れやインフラ構造物の振動をリアルタイムにモニタリングするサービスを展開している。
1本のケーブルで芋づる式につなぐ「い-MON」
い-MONは、ゆれMON SPECIAL/HYPERをベースに、ビル内で各階に配置して、複数台を1本のケーブルで芋づる式につなぎ、同期させてモニタリングするサービス。
機器の構成は、データロガーの代わりに、Raspberry Pi 4ベースの「い-MONマスター」を仲介させ、データ保管やイベントキャッチ、変位算出、クラウドへの通信に加え、各センサーへの同期信号を発信する。
センサーと、い-MONマスターは、データ量が多いため、LAN回線を標準としており、3G/LTEで通信できない場合やセンサー数が少ないときは、無線での伝送にも対応する。
導入先には、構造物の振動特性計測や傾斜モニタリング、地震に伴う対象物の揺れ計測や分析(強震、微振動、長周期振動)などがある。
KanTen-2は、気象観測データを手軽にモニタリングするサービス。IoTツールとして広く市販されているウェザーステーションに対応し、リーズナブルな価格で気象データのモニタリング環境を構築できる。
ウェザーステーションの子機(雨量計、風速計)は、1年間の連続使用に耐える電池を内蔵。親機はSmaTra自体に搭載しているため、外部から電力供給を受ける必要は無い。SmaTraはUPS(非常用バッテリー)タイプと、ソーラーチャージャー電源を備える2種類。
モニタリング画面はブラウザベースで、専用サイトからアクセスすると、全国のマップ上に示された各監視ポイントの気象観測データを閲覧することができる。また、しきい値以上の温度/雨量/風速などを検知した際は、事前に登録したメールアドレスへ通知するといった各種設定も行える。
仮に建設現場に導入すれば、遠隔地の本社などから、現地の気温や雨量、風速などを知ることができるため、迅速で的確な現場指示につながる。商業施設では、暴風雨を観測時に、施設管理者にパラソル撤去や避難指示、アラートの自動配信といった非常時のBCP対策に役立てられることが期待されている。
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