テラドローンが“スタバ”や“KFC”に導入された中国ドローン物流企業と独占販売契約:ドローン
テラドローンは、中国・杭州で、ドローンによる物流の完全自動化に成功させたAntworkと業務提携を締結し、物流向けドローンシステムの日本国内での独占販売を開始する。
テラドローンは2019年12月、中国のドローン物流企業Antwork(アントワーク)と資本業務提携を締結したと発表した。
全自動物流システムは、スターバックスやKFCに採用
Antworkは、ドローンとAI技術を融合させた“全自動物流システム”を開発している中国・杭州のスタートアップ企業。杭州地域で航空局の許可のもと、都市部での物流(レベル4)を商用目的で成功させた世界初の企業だという。これまでに、郵便、宅配、出前、医薬品などのドローン配送を行い、物流システムそのものもスターバックスやケンタッキーフライドチキン(KFC)などの世界的企業に導入されている。
同社のシステムは、ペイロードで7キロまたは25リットルまでの食料品を30キロ以内の距離であれば、30分以内に配送する。ドローンは、耐風性や防水性に優れており、雨天での空輸にも応じる。
KFCで利用されているシステムは、基地とドローン、地上の運搬ロボットで構成。配送元の店舗から、スタッフが4輪駆動の運搬ロボットに荷物を載せ、BOXタイプの基地へと移動。;基地内にロボットが格納されると、簡易的なエレベーターで上昇し、基地上部に設置しているドローンの下部に荷物が自動でセットされ、配送先近くにある基地へと飛行。そこから、ラストワンマイルの受け取り先までは、基地に格納されている運搬ロボットが運ぶというのが一連の流れだ。
今回の業務提携により、テラドローンは国内での独占代理店として、Antwork製のドローン本体とソフトを含めたパッケージ商品を販売する。加えて、テラドローンでも、システムを使った食料品の出前サービスに乗り出す。
また、Antworkのドローン物流における技術や知見と、テラドローンの持つUTM技術(ドローン運航管理システム)やAI、SLAMなどの最先端技術を組み合わせ、より優れたドローン物流システムの共同開発も進めていく。
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