「目指すはアジア・中東でのシェア確立。カギは新IoTダッシュボード」、日立ビルシステムの事業展望を聞く:次世代のスマートビルサービス(4/5 ページ)
日立ビルシステムは、事業の柱であるビルシステム事業で、日立のIoTプラットフォーム「Lumada(ルマーダ)」をコアに据えた新規サービスの開発に力を入れている。これまで売り上げの大半を占めていたエレベーター(EV)やエスカレーター(ES)の製造販売と保守点検だけにとどまらず、ビル設備の領域でも事業を拡大させ、昇降機とビルサービスの両輪でグローバル市場でのシェア獲得をうかがう。
ユーザー目線で開発されたダッシュボード
――ビルオーナー向け新IoTサービス
松尾氏 その新規サービスの一つとして形になったのが、Lumadaの新ソリューションとして2019年11月15日に提供を始めたビルオーナーやビル管理者向けダッシュボード「BUILLINK」。Webベースのため、PCやスマートフォンなど端末を選ばず、エレベーターなどビル設備の稼働状況や保全状態を離れた場所から、いつでもどこでも確認することができる。
深尾氏 これまでは、ビルオーナーがビル設備の状況を把握したい場合は、当社に連絡をもらい、紙で報告していたが、「広域災害時の復旧進捗などを直接知りたい」「日々のビル管理業務を効率化したい」というニーズに応えるべく、「見える、つながる、動かせる」をコンセプトに開発した。当初は日立ビルシステムが保全サービスの対象にしている数万台の昇降機を対象にして、次の段階ではその他のビル設備にも適用範囲を広げていくつもりだ。
画面では、昇降機の運行中/停止中が数字で表示され、「故障対応中」「点検中」「電話お問い合わせ中」の各ステータスにある台数も示される。例えば、地震発生時には、メイン画面の「故障対応中」の台数をタップすると、対応中の状況が示され、ビルオーナーが問い合わせることなく、今どうなっているのかを即座に知ることができる。
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