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インタビュー

「目指すはアジア・中東でのシェア確立。カギは新IoTダッシュボード」、日立ビルシステムの事業展望を聞く次世代のスマートビルサービス(2/5 ページ)

日立ビルシステムは、事業の柱であるビルシステム事業で、日立のIoTプラットフォーム「Lumada(ルマーダ)」をコアに据えた新規サービスの開発に力を入れている。これまで売り上げの大半を占めていたエレベーター(EV)やエスカレーター(ES)の製造販売と保守点検だけにとどまらず、ビル設備の領域でも事業を拡大させ、昇降機とビルサービスの両輪でグローバル市場でのシェア獲得をうかがう。

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デジタル技術でサービス高度化と、建物全体のイノベーション

深尾氏 海外で今後、シェアを獲得するためには、ワールドワイドで潮流となっているIoT、AI、VRなど最先端のデジタル技術を用いた製品やサービスの高度化と同時に、ビルを取り巻くビッグデータを活用した建物全体のイノベーションに、遅れることなく対応していく必要がある。

 日立ビルシステムでも、デジタル技術を使った保全サービスの高度化には既に取り組んでおり、EV/ES管理の遠隔監視サービスとして、「故障監視」からはじまり、「予兆診断」、遠隔での閉じ込め救出や地震時の自動復旧といった「遠隔点検」「安全・安心機能サービス」までを実用化させている。

 遠隔監視サービスは、東京/大阪と国内2カ所ある「管制センター」で、国内のビル設備18万台以上を常時監視している。2019年には、「グローバル管制センター」として、シンガポールやタイなどにも対象を広げたことを足掛かりに、将来的にはアジア・中東を広くカバーする拠点となる見込みだ。


デジタル技術を活用した保全サービス

遠隔監視サービスの2020年度以降のイメージ

深尾氏 他のテクノロジーのトピックスでは、中国の超高層複合ビル「広州周大福金融中心」で2019年9月に稼働がスタートした分速1260メートルのエレベーターが、世界最速とギネス世界記録に認定された。AI分野ではエレベーター利用人数の予測とビル設備のデータ連携で、人流予測型の運行管理システム「FI-700」を開発。VR技術でも、海外での利用も視野に入れたエンジニアリング教育コンテンツを制作して、第一弾で2019年4月に亀有総合センターで導入している。

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