日立が昇降機エンジニア向けにVR教育、国内外との遠隔教育も:VR(1/2 ページ)
日立と日立ビルシステムは、エレベーターの保守・メンテナンスを行うエンジニアを対象に、独自のVR教育システムを開発した。これまで日立はビル設備の販売やアフターサービスで、アジア市場に進出し、海外にもエンジニア育成の拠点を開設してきたが、受け入れ人数の増加や教育メニューの拡充を図る目的でVR技術を活用するに至った。
日立製作所(以下、日立)と、日立ビルシステムは2019年6月12日、エレベーターの保守・メンテナンスを行うエンジニア向けに、VR技術を活用した体感型の教育システムを開発し、国内での正式運用を開始したことを公表した。今後、教育メニューの拡充と、拡大するアジア市場を中心にグローバルの拠点とも連携を図っていくという。
【動画で確認】日立のVR教育システム
日立が開発したVR教育システムは、先行して2018年1月に中国版が運用を始めたが、今回、国内向けに、エレベーターの機種なども日本市場に合わせた作業教育と安全体感教育の4コンテンツを開発。「ブレーキ分解整備」をはじめ、最近増えているペントハウスが無く、かごの上に乗った作業を考慮した「かご上乗降」、一方の安全体感では「昇降路内への転落」「高所からの工具落下」のメニューで、2019年4月からVRを活用した社内教育が始まった。
これまで日立と日立ビルシステムでは、昇降機やビル設備の施工・保全に携わる技術者の教育拠点として、1981年に開設した東京都足立区の「亀有総合センター」を皮切りに、現在では売上高6216億円の52.5%(2018年度)を占める中国やアジア・中東の新規市場参入に伴い、中国国内に4カ所(広州、上海、天津、成都)のトレーニングセンター、2017年にはタイにもアジアトレーニングセンターを設置し、エンジニアの育成に取り組んできた。
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