大成建設が作業服を全面刷新、フルハーネスに対応:産業動向
大成建設は、2019年2月から義務化された「フルハーネス型墜落制止用器具」に対応すべく、作業服とヘルメットを刷新した。
大成建設は、社員用の作業服とヘルメットを約30年ぶりにリニューアルした。2020年4月から順次切り替えを進め、グループ会社にも配布していく。
グループの一体感を表現
作業服を刷新した理由について大成建設では、現行の作業服は、制定から30年近くが経過し、夏の猛暑や厳冬地での業務にも応じられるようにするため、素材や生地の見直しが必要になったとしている。ヘルメットについても、上方視界の確保や夏期使用時の除熱など、機能面の向上が求められていた。
リニューアルにあたり、全国に点在する500以上の作業所で、改善要望をヒアリング。ニーズの高い機能を盛り込み複数のデザイン案にまとめ、アンケートを全社員に行い、作業服とヘルメットの仕様やデザインを最終的に決めた。
作業服のデザインは、コーポレートカラーの「ブルー」「グリーン」「オレンジ」をブルゾンやシャツに配色して、大成建設グループの一体感を表現。シルエットも見直し、スマートな形にして、股下や袖下の伸縮性も高め、軽量で、通気性・伸縮性・吸汗性・制電性などに優れ、現場での動きやすさや着用時の快適さを重視し、世代や性別に関わらず受け入れられるスタイリッシュで存在感のあるものとした。
また、2019年2月から義務化された「フルハーネス型墜落制止用器具」へ対応するため、ポケットの位置を改め、若手社員らによるデモ検証の結果、安全で使い勝手の良い収納ポケットを採用した。
ヘルメットは、標準タイプ以外に、収納式のワイドシールドを備えたタイプを選択できるようにし、着用時は飛来物に対して目を保護。また、強度を保ちつつ雨がしたたり落ちるのを防ぐ「かえし」と複数の通気孔を新設している。
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