オートデスクが設計から維持管理までBIMを使えるデジタルツインプラットフォームを開発:Autodesk University 2020(2/2 ページ)
オートデスクは、新たな可能性の追求をテーマに、コロナ禍でも、プロジェクトメンバーとステークホルダーが建設計画に対して、コミュニケーションとデータの共有が図れるプラットフォームの他、BIMなどの設計データを作れるだけでなく、作成したBIMを維持管理にも利活用できるデジタルツインプラットフォーム「Autodesk Tandem」の開発を進めている。
Revitによるスペースレイアウトの最適化で“Dynamo”を不要に
濱地氏は、「最新の取り組みと製品のコンセプトでポイントとなるのが、“データ”“自動化”“洞察”の3点だ。データでは、オープンな情報により、さまざまなシステムとBIM連携を効率化する取り組み“データコネテクテッドデザイン”の推進やビルディングスマートへの継続的な参画、オープンデータアライアンスへの参入、Object Management Groupのデジタルツインコンソーシアムに創設メンバーになるなど、データの相互運用性を重視し展開している」とコメントした。
また、「自動化では、ノルウェーのAIソフトウェア企業Spacemakerを買収し、同社のAIを用いた設計支援ツールを当社の製品に活用できるようになったことがトピックスだ。例えば、AIを用いた設計支援ツールで、Revitではスペースレイアウトの最適化を容易にし、土木設計ソフト“Civil 3D”では、対象に適したしきい値の設定を簡易化するなど、これまで当社のビジュアルプログラミングツール“Dynamo”を使用しなけれできなかったことがAIで簡単に行えるようになった」とした。
「洞察では、デジタルツインプラットフォーム“Autodesk Tandem"の開発が挙げられる。Autodesk Tandemは、建物の設計・施工段階で役立つBIMなどのデータを作れるだけでなく、建物の維持管理でもBIMなどのデータを利活用できる。また、このほどデスクトップで作成したBIMなどのデータをクラウドに集約する“Autodesk Construction Cloud”を設けた。Autodesk Construction Cloudは、日本ではまだ発売していないクラウドサービスで、現場向けの施工管理クラウドや図面編集クラウドなどをラインアップしている」と新製品の概要を解説した。
最後に登壇した加藤氏は、製造業向けソフトウェアや製造設計のジェネレーティブデザインなどを紹介してセミナーを終えた。
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