三晃空調は2019年10月18日、大阪で初となる『ZEB』(2019年10月18日時点、同社調べ)の「ワッツ・ラボ オオサカSANKO研修センター」が完成したことを発表。竣工式は同年10月29日に実施した。
VR体験コーナーも内蔵
ワッツ・ラボ オオサカSANKO研修センターは、建築面積148平方メートル、延べ床面積287.84平方メートル、構造がS造、地上2階建て。所在地は大阪市北区西天満5丁目11-11。ZEBプランナーは三菱電機が担当した。
省エネ施策としては、屋根と外壁に高断熱加工がされている上、高効率インバーターエアコンを導入している。また、備え付けられたLED照明設備は、照度センサーと組み合わせ、昼光利用や初期照度補正を実施し、電気使用量を削減している。1次エネルギー削減率(コンセントを除く)は、創エネを含め108%。
ワッツ・ラボ オオサカSANKO研修センターは、社員の技術・サービス力向上を目的とした研修施設で、細部にわたる技術的なポイントを分かりやすく伝えられるようなさまざまな展示を盛り込んでいるという。
施工事例としては、配管・ダクトの実物や継手、バルブ、補助部材などを出品している上、実物を手に取って確かめられる。また、配管・ダクトの加工実習やフルハーネス型・胴ベルト型の安全帯による吊(つ)り上げ体験にも応じている。
VRコーナーでは、バーチャル上で、計画中や引き渡し後の建物内を自由に動き、設備を調べられる。
設備工事で使用された配管やバルブを用いて、環境問題に対する配管技術の役割を表現したアートを作成し、壁面に設置している。
この他、ワッツ・ラボ オオサカSANKO研修センターの設備システムと運用データの確認に対応していることに加え、超節水型大便器の排水横枝管の排水性能を高めるための段差付き排水継手「ステップ継手」の実機展示も行っている。
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