戸田建設が「構造・施工実験棟」と「音響シミュレーション棟」を筑波研に新設
戸田建設は、茨城県の筑波研究所で建設を進めてきた「構造・施工実験棟」と「音響シミュレーション棟」が2019年11月7日に竣工したことを公表した。
戸田建設は、筑波技術研究所に多様な構造実験に耐えうる自由度の高い大空間を備える「構造・施工実験棟」と、最新の音響技術を採り入れたシミュレーション体験施設「音響シミュレーション棟」を新設した。
新施設は2020年4月に稼働を開始
新施設は、2016年に始動した筑波技術研究所の整備計画の一環として計画された。築35年の既存施設(大型棟)を解体した後、機能をより拡充させ、従来よりも高度な実験に対応する目的で、既存施設の2倍の広さとなる多目的実験施設を建設。ここには、戸田建設の技術を体験し、“魅”てもらうための工夫も、積極的に採り入れているという。
構造・施工実験棟は、基礎構造を含む構造・振動・材料・施工に関する研究開発を行うための設備・機能を集約した大空間を有し、さまざまな実験が効率的に行える。とくに構造実験では、2万kN(キロニュートン)級の実験が可能なことに加え、超高層ビル関連の高強度材料を使った試験では、大型の試験体を用いることで、精緻な解析ができるようになる。また、屋内実験場なので、実験時に天候に左右されることもない。施設の規模は、S造(一部RC造)、地下1階/地上3階(PH1階)建てで、延べ床面積は3836.91平方メートル。
一方の音響シミュレーション棟は、球面配置の36個のスピーカーと6個のサブウーファーで、36.6chサラウンドスピーカーを実現し、聴く人を取り囲むように音を再生する音場シミュレーター室。施設規模はRC造(一部S造)・地上2階建て、延べ床面積は642.02平方メートル。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 戸田建設の筑波技研で、2万kNの構造実験が可能な「複合実験棟」を新築
戸田建設の筑波技術研究所で、2万kN(キロニュートン)級の大規模構造実験が行える自由度の高い大空間を備えた「複合実験棟」の建設が計画されている。竣工は2019年10月末。 - ZEBを目指す技術研究所と開発部門を統合した高砂熱学工業の新センター着工、つくばみらい市に2020年完成
高砂熱学工業は、茨城県つくばみらい市の用地に、技術研究所を移転し、本社機能の開発企画・開発部門も併設する「(仮称)イノベーションセンター」の建設工事に、2020年1月末の完成を目指し着手した。 - 研究施設や工場の防爆区域に“新型ダクト”で光と空気を搬送「T-Light Duct Air」
大成建設と東洋鋼鈑は共同で、施設内の爆発・⽕災が起こらないような対策を講じる必要がある“防爆区域”に、防爆区域外の他室に設置した汎用的な照明・空調設備を利用して、光と空気を同時に搬送する新型ダクト「T-Light Duct Air」を開発した。研究施設や工場などを対象に、防爆区域での照明・空調に適用可能な技術として、積極的に提案していくという。 - 避難検証法を“国内初取得”した住友林業の新筑波研究棟、ゼロエネルギービルの実現も視野に
住友林業は、茨城県つくば市にある「筑波研究所」の新研究棟の建方が2018年12月4日に完了したことを明らかにした。筑波研究所は、築27年が経過し、本館の老朽化と所員の増加への対応が課題となっており、新研究所の建築にあたっては、“現し構造”など木構造に関する新技術を多数採り入れている以外にも、施設の省エネ化によってゼロエネルギービルディング(ZEB)を目指している。 - 避難検証法を“国内初取得”した住友林業の新筑波研究棟、ゼロエネルギービルの実現も視野に
住友林業は、茨城県つくば市にある「筑波研究所」の新研究棟の建方が2018年12月4日に完了したことを明らかにした。筑波研究所は、築27年が経過し、本館の老朽化と所員の増加への対応が課題となっており、新研究所の建築にあたっては、“現し構造”など木構造に関する新技術を多数採り入れている以外にも、施設の省エネ化によってゼロエネルギービルディング(ZEB)を目指している。