三菱地所ホームの2作品が2019年度グッドデザイン賞をダブル受賞:CLT
2019年度グッドデザイン賞で、三菱地所ホームの「国産CLTスラブを活用したモデルハウス」と「オフィスビル KOJIMACHI TERRACE」がダブル受賞した。
三菱地所ホームの「国産CLT(※)スラブを活用したモデルハウス」と「オフィスビル KOJIMACHI TERRACE」が、2019年度グッドデザイン賞をダブル受賞。同社の受賞は2018年度に続き2年連続となった。
新宿ホームギャラリー(東京都新宿区)と千里ホームギャラリー(大阪府吹田市)の2棟で構成される本モデルハウスは、ハイプロテクトウォール構法と3D TIMBER FRAMEが生み出す大空間と8mの連続両面大開口が大きな特長。
床スラブにCLTを使用したことで、2方向へのはね出しによる伸びやかな軒下空間を演出している。シンプルなキューブ型デザインと組み合わせた『水平・垂直・平行』のラインにより、整然として連続性のある造形美が生まれた。
CLTスラブが半屋外にはね出した大きな軒下空間は、夏には日差しを遮り、冬には日光を室内の奥深くまで誘導する機能を持つ。半屋外空間を構造体で造るときに生じるヒートブリッジも、断熱性能に優れたCLTスラブを使うことでクリアしている。
大手ハウスメーカーが国産材CLTの活用に取り組むことは、国産材の供給体制を維持する意味でも意義があり、本賞の審査ではこの点も高く評価された。
KOJIMACHI TERRACEは、東京都麹町に建設された地下1階・地上11階のオフィスビル。本賞の受賞に加え、デザイン振興会による「私の選んだ一品」にも推薦されている。
通常のオフィスビルは気密性が高く、デザイン面でもフォーマルなアプローチが一般だ。そのため室内から天気や季節の移ろい、街の気配などを感じ取ることが難しかった。
KOJIMACHI TERRACEでは、外気の取り込みを重視した設計が積極的に採用され、外部とのつながりを強く感じさせる空間となっている。本賞の審査でも、伝統や環境を意識した意欲的なファサードデザインが評価され、「オフィスビルデザインの新しい潮流へのつながりや、周辺の建築環境への波及が期待できる」といったコメントを得ている。
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