スマホで理想の“間取り”を作成、AIが似た物件を探す「三井のリハウス」の新サービス:AI
三井不動産リアルティは、分譲マンションの購入を検討している人がスマートフォン上から専用Webサイトにアクセスし、部屋のパーツを組み合わせて間取りを作れば、AIが自動で似た物件を探してくれるサービスを開始した。
三井不動産リアルティとアヴァントは、マンション購入を検討している顧客自身が間取り図をWeb上で作成して、理想の間取りに近い物件を手軽に検索できるシステム「間取サーチAI(マドリサーチエーアイ)」を共同で開発した。2019年10月31日から三井不動産リアルティが運営する「三井のリハウス」のWeb上で公開している。
AIがマンション購入検討者がイメージする理想の間取りを検索
間取サーチAIは、顧客がWebサイト上で、リビングと個室などの位置や東西南北の方角を設定した「理想の間取図」と近い間取りを、三井のリハウスのWebサイトに掲載されている売却中の物件から探し出して一覧表示するシステム。
一般的な物件検索サイトでは、2LDKや3LDKといった部屋の数と部屋の種別を文字情報で指定するだけのことが多い。しかし、ユーザーからは、「理想の間取りにたどり着けない」「部屋の東西南北を指定して検索したい」といった要望が寄せられていたという。
ニーズをリサーチするため、三井のリハウスのWebサイトを解析したところ、「間取図」の閲覧数が多く、要望の裏付けとなる高い関心が潜在的にあると判明した。そこで三井不動産リアルティとアヴァントは、豊富な物件情報から、顧客の抱くイメージに近い間取りのマンションを手軽に見つられる仕組みを目指し、新たなWeb検索システムをスタートさせた。
開発に際しては、不動産仲介業向けのシステム構築を手掛けているアヴァント独自の画像処理技術を採り入れた。三井不動産リアルティの物件に対して行ったAIによる機械学習で得られた結果をもとにすることで、洋室や和室などの部屋の種別とその位置関係を認識するAIの画像検索が実現した。
今後は、間取サーチAIに新たな機能を追加し、より利便性の高い検索システムにして、手間なく簡単に理想の物件に巡り合えるサービスを提供していくとしている。
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