東急建設が新卒の土木技術者を“10カ月間”の実務型研修で即戦力に:人材育成
東急建設は、土木技術系の新入社員を対象に、現場配置が決まった時点で即戦力となる実務型の新人研修に注力している。
東急建設は、2017年度から取り組んでいる土木技術系の新入社員を対象にした実務型研修をより充実させ、現場配属時点ですぐに活躍できる社員育成に注力している。
土木技術系の新入社員向けに実務型研修
2017年度から導入している土木技術系の新入社員向け研修は、翌2018年度に研修期間を1.5カ月から10カ月に大幅拡充し、基礎的な知識と技術を体得できるカリキュラムとして改善した。
2019年度には、これまでの技術面だけでなく、新たに「人間教育」も採用。この教育では、新人が「働くこと」について、自らに問う時間を持たせることで、学生からの意識転換と、現場配属後も上司や同僚などと切磋琢磨して働くための基盤となる「人間力」の向上を図る。
受講した新入社員からは、「あいさつ・返事を含め、当たり前のことを当たり前にやる大切さが分かった」「自分がまずベストを尽くさなければ、何事も意味を成さないことが分かった」など、働きがいが高まるきっかけになったという感想が寄せられている。
2019年度に進める具体的なカリキュラムでは、土木工学の基礎となる土質・コンクリートを中心とした基礎的な技術をはじめ、現場で必要な仮設構造物の計算、施工支援業務としての施工計画や設計技術、CAD、ICTを学ぶことになる。他にも、グローバル化に対応するための英語教育に加え、これまでにも新入社員に好評だった「コンクリート工事体験研修」や合宿型の「測量研修」「鉄道研修」も継続する。
東急建設は、2018年に策定した「2026年のありたい姿」の基本方針で、従業員個人の能力や働きがいを「コア・コンピタンス=核となる能力」として向上させることを定義しており、働くことを通じて、働いている意味や社会への貢献を実感できる会社になることを表明している。
また、建築技術系・事務系の新入社員についても、カリキュラムをより充実させ、意欲・能力を引き出す教育に力を入れていく方針を示している。
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