建築確認申請と施工時のBIM活用に対応した「GLOOBE 2020」を発売:BIM
福井コンピュータアーキテクトは、建築確認申請や施工段階でのBIM活用を踏まえた国産BIMソフトウェア「GLOOBE 2020」の最新バージョンをリリースする。
福井コンピュータアーキテクトは2019年11月12日、国産BIM建築設計システム「GLOOBE 2020」を発売する。
複数で作業を行えるシステムを搭載
新バージョンは、GLOOBEで作成したデータを用いた建築確認申請「BIM確認申請」を後押しする機能を強化。BIM確認申請は、GLOOBEのユーザ会「J-BIM研究会」やスターツCAM、指定確認検査機関の日本ERI、福井コンピュータアーキテクトが運用に向け、以前から協業している。
最近の取り組みでは、福井コンピュータアーキテクトとJ-BIM研究会が2019年8月22日、旧バージョンとなる「GLOOBE 2019」の確認申請テンプレートの無償配布を開始した。同テンプレートの技術検証は、スターツCAMが中心となり、日本ERI、福井コンピュータアーキテクトとともに、実案件で2018年に実施。
BIM確認申請は、通常複数の図面を照らし合わせながら進めるワークフローを、PCの画面上で完結させられるなどの利点があり、実用化に対して業界から関心が寄せられている。
GLOOBE 2020は、BIM確認申請を容易にするため、新たなアプローチをしている。申請面積の制作では、モデル段階での入力・編集に対応し、実際のスペースとの整合性を確かめられる機能を実装。面積区画に関するコマンドでは、面積種別を拡張し、色分け表示にも応じ、視認性の高いモデル構築が容易だ。
また、用途地域ごとに容積率・建ぺい率を按分(あんぶん)させられるため敷地面積の現状が分かりやすい。床面積区画とスペースとの重なりチェックし、一致しているかも導き出せる。構造審査での使用を考慮し、躯体の断面サイズと符合だけを比べられる上、躯体取り込み機能で断面リスト・配置部材の更新を図れる。
複数のメンバーが同じプロジェクトで、業務を振り分け、共同してモデルを作れる「クラウドサーバー対応チームシステム」を標準搭載したことも今回のアップデートの特徴だ。差分データの積み上げや履歴管理が行え、特定時点のデータの取得が可能。通信障害が発生した場合でも直前までの状態を保存し残せる。
施工段階におけるBIM活用の普及を受けて、ゼネコン・専門工事会社の利用を想定した新オプション「躯体図出力」も追加している。このオプションは、GLOOBEのモデル情報から見上図・見下図・屋上伏図・基礎伏図・杭伏図・底盤伏図・断面図などの躯体図を自動作成する。
さらに、記号の基本情報に編集用のダイアログボックスを用意しており、それぞれの部材における種別ごとのエディットが可能。杭、異厚フカシなどの新規オブジェクトも備えており、IFCファイル形式でJ-BIM施工図CAD(施工図作成システム「J-BIM 施工図 CAD 2019」以降)と連携する。
この他、GLOOBEデータの3DPDF出力や経緯度基準点が設定されている際に、座標系指定で点群を自動配置する機能が加わった。
GLOOBE本体の基本価格は65万円(税別)からで、新オプションの躯体図出力が10万円(税別)。
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