矢野経済研究所、住宅設備機器市場に関する調査結果を発表:産業動向
矢野経済研究所は、2018年度の国内住宅設備機器市場の調査結果を発表し、主要住宅設備機器市場は2.0パーセント減であると伝えた。今後、付加価値の高いサービスによる市場活性化が期待される。
矢野経済研究所は2019年10月1日、2018年度の国内住宅設備機器市場(水まわり設備機器+水まわり関連設備機器+省エネ・創エネ設備機器の合計値)の調査結果を発表した。
2018年度の市場規模はメーカー出荷金額ベースで、前年度比2.0パーセント減の約2兆円と推計した。特に省エネ・創エネ設備機器分野は、太陽光発電システムに対する補助金終了やFIT(固定価格買取制度)による買取価格の下落などを背景に新設需要が減少したことで、他の2分野と比較して大幅な減少だった。
2021年度の市場規模はメーカー出荷金額ベースで、2018年度比3.5パーセント増の2兆708億円の見通し。水まわり設備機器分野や水まわり関連設備機器分野は、2018年度比でそれぞれ0.1パーセント減、2.6パーセント増とほぼ2018年度並みとなる一方、FIT終了を迎える世帯における電力の自家消費需要の高まりを背景に、家庭用蓄電システムの普及が契機となり、省エネ・創エネ関連設備機器分野は同11.7パーセント増と、主要住宅設備機器市場全体を牽引(けんいん)するものと予測する。
今後の市場活性化として注目されるのが、コネクティッドホーム(Connected Home)やスマートホームと連携した住宅設備機器の普及だ。具体的には、スマートフォンなどが住宅設備機器とインターネット経由でつながり、セキュリティや見守りといった安心・安全サービス、家電や設備などの遠隔・宅内操作、エネルギーマネジメントによる省エネサービスなど、外出先からでも住まいや暮らしを管理および調整できる付加価値の高いサービスをもたらす住宅設備機器である。
現時点でコネクティッドホームやスマートホームの拡がりはまだ限定的であるが、今後、付加価値の高いサービスが提供されることで、市場に浸透し拡大していくことが期待されるという。
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