常盤橋エリアに軽量薄層緑化技術を導入、三菱地所が裾野市と使用賃借契約を締結:プロジェクト(2/2 ページ)
三菱地所は、関係する権利者とともに、東京駅日本橋口前の3ヘクタールを超える土地で、「常盤橋街区再開発プロジェクト」を進めている。2027年までに4棟のビルと7000平方メートルに及ぶ大規模な広場の設置を計画しており、段階的に着手する。この再開発により、常盤橋エリアの中央通路は2022年9月まで現状のまま維持される。こういった状況を踏まえ、賑(にぎ)わいの創出を目的に、中央通路の一部となる約80平方メートルの敷地を静岡県裾野市に一定期間貸し出し、同市の軽量薄層緑化技術「FSGシステム」で、緑花木の植栽を進め、地域の活性化を促進する。
四季をイメージして常盤橋エリアに緑花木を配置
裾野市環境緑花事業協同組合 代表理事の手綱忠芳氏は、「FSGシステムは、厚さ10センチ未満の薄い土壌を用いているため、1平方メートルの対荷重が70キロあれば対応可能で、コンクリートかアスファルトの床面なら施工できる上、風速30メートルにも耐えられる。裾野市内の専用の農地を敷いた50×35センチのユニットで、緑花木を育成した後に、納品場所に搬入するため、短期間での植え付けに応じている」と解説した。
加えて、「常盤橋エリアには、200万円の費用をかけ、桜、蓮華、あじさいなど20種前後を盛り込んだFSGシステムを四季をイメージして設置した。今後は、木枠の鉢に花木を小型に盛り付けた小型のFSGシステムも室内用途で拡販を図っていく」と補足した。
三菱地所 代表執行役 執行役社長の吉田淳一氏は、「展開している再開発プロジェクトにより、常盤橋の地域に2027年、日本一の高さとなる390メートルのビルが竣工する予定だ。2021年には全長220メートルのビルも完工する。このように、高層ビルを建てることで、大きな広場を都心に設けられ、訪日観光客や地元住民などの交流が一層深まると考えている」と語った。
続いて、「常盤橋地区は、積極的に日本各地の名産品、伝統文化、最新のテクノロジーを多くの人に伝えていけるように整備していく。今回のFSGシステムはその第一歩だ。これからの街づくりに求められる社会の悩みの種を解消するツールとして、環境問題の解決などに役立つことを期待する」と話した。
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