工事現場データの効率的な共有と可視化を促進するクラウドサービス:GIS
福井コンピュータは、データ共有クラウドサービス「CIMPHONY Plus」の提供を2019年9月24日から開始する。工事現場の写真データや3次元データを時間軸や位置情報で管理することで、工事状況の可視化をサポートする。
福井コンピュータは2019年8月27日、工事現場における写真データや3次元データを時間軸と位置情報で管理するデータ共有クラウドサービス「CIMPHONY Plus」の提供を2019年9月24日から開始すると発表した。同社がこれまで提供してきた「CIMPHONY」をバージョンアップしたもので、工事現場データの効率的な管理・共有や工事状況の可視化を促進するもの。
本サービスのベースとなるCIMPHONYは、同社の測量CADシステム「TREND-ONE」や土木施工管理システム「EX-TREND武蔵」などと現場端末システム「TREND-FIELD」をクラウドでつなぐサービス。今回のバージョンアップではここに2つの新機能が加わった。
CIMPHONY Plusはクラウド上に表現した3次元地図での工事現場データの管理・共有が行える。3次元地図は、国土地理院提供の地理院地図や標高タイル、OSM財団のOpenStreetMapを利用する。さまざまな工事現場データを管理するプラットフォームとして機能させることができる。
さらに新製品では、「時間軸」と「位置情報」概念を導入。これにより撮影日時や位置情報を含んだ現場写真データやドキュメントデータ、レーザースキャナーなどで得た3次元点群データ、ICT施工に欠かせない3次元設計データなどを3次元地図上に配置・保管できるようになった。写真データは同社のスマホアプリや土木施工管理システムと連携させることで、スムーズな現場写真管理が可能となる。3次元データはWebブラウザがあれば3次元地図上に表示できる。
今回リリースするCIMPHONY PlusはStandardプランで、利用できるのは現場写真データ運用サービスのみとなる。3次元データの運用サービスを利用できるProfessionalプランは、2020年1月頃のリリースとなる。
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