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39年ぶり日本開催「ICC2019」レポ、準天頂衛星などGISの可能性を提示:GIS(4/4 ページ)
第29回国際地図学会議(ICC2019)が2019年7月15〜20日に、東京・江東区青海の4会場で開催され、GISデータを活用した測量会社らの新たなソリューションが提案された。
陰陽図の3D化や古地図と現代地図を見比べるスマホアプリなど
他のブースでは、朝日航洋は、陰陽図という斜面の高低差で色づけした地図を紹介。赤は山の頂上などの高い位置で、青は斜面の下りを表し、白は平地となる。ブースでは東海大学の協力を得て、富士山近辺の陰陽図を3D化し、コントローラーを付けた機器につなぎ、360度パノラマで操作できるシステムを披露した。
日本地図センターは、古地図と現代地図を重ねた「東京時層地図」を出品。iPhone/iPadとAndroid用アプリで、地図は明治期から現代まで7種類を用意し、最新版では各時代の航空写真、現代の地形図など全19種類を閲覧可能で、見たい時代をタップするだけで瞬時にその時代へとタイムスリップすることができる。GPS情報を利用しているため、自分がいる場所が昔どの様な場所だったかが古地図で示される。
アジア航測は、過去、現在、未来をテーマとした地図、3次元プロジェクションマッピングを活用した地形や地図表現を展示。数値標高データをベースに、傾斜量を赤色の彩度で、尾根谷度を明度にして調製した赤色立体地図を応用したVR映像の実演も行った。
PASCOは、2018年7月に西日本を襲った豪雨と北海道胆振東部地震による被災前と被災後の衛星写真を比較出品。写真は、ALOS-2搭載のPALSAR-2(パルサー2)やSPOT-6、7など異なる衛星で撮影したものを展示し、画質や明度などの違いを説明した。
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