清水建設が36億投じ、ジャカルタ東部に初の日系運営サービスアパートメント:海外事例
清水建設が、海外不動産開発事業の一環として、インドネシア・ジャカルタ東部のチカラン地区で建設を進めてきた日系企業が運営する初のサービスアパートメントが竣工した。
清水建設は2019年7月16日、インドネシア・ジャカルタ東部のチカラン地区で開発を進めてきた「チカラン・サービスアパートメント計画」がこのほど竣工したことを公表した。藤田観光の現地法人が一括賃借し、約4カ月の開業準備期間を経て、2019年11月に「ISORAS CIKARANG(イソラス チカラン)」としてグランドオープンする。
駐在員や現地に長期滞在する出張者のニースを取り込む
プロジェクトは、清水建設が約36億円を投じ、100%出資による不動産開発事業現地法人「クドゥアピラ・デベロップメント・インドネシア」を通じ推進してきた。設計・施工は、同社現地法人のシミズ・バングンチプタが手掛け、2017年12月に着工していた。
サービスアパートメントの規模は、RC造・地上7階建て、建築面積1744平方メートル、延床面積1万2021平方メートル。客室は、スーペリアルーム72室、デラックスルーム136室、エグゼクティブルーム6室の計214室を備える。
建設地は、世界中の企業の生産拠点が集積するチカラン工業団地内に位置する。邦人をはじめ、駐在員や現地に長期滞在する出張者が多いため、ホテルのサービスとマンションの居住性・機能性を併せ持つサービスアパートメントに対するニーズが高い。
清水建設は、インドネシアでのサービスアパートメントの開発に当たり、2017年12月に藤田観光の現地法人と建物の一括賃貸借契約を締結。日系の大手ホテル運営事業者が同地で進出するのは初で、日本的な質の高い施設とサービスを提供することで、利用者の需要を獲得するのが狙いだ。
今後、清水建設ではインドネシアをはじめとするアジア地域、さらには北米において、ジャパンクオリティーを訴求する不動産開発事業を展開していく。
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