浅草とスカイツリーを結ぶ水辺整備推進、東武鉄道と墨田区が連携:プロジェクト
東武鉄道と墨田区は、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて隅田川エリアの水辺整備を推進する。浅草と東京スカイツリータウンを結ぶ東西エリアで、親水テラスや鉄道高架下、コミュニティー道路、公園、橋梁歩道橋を一体整備。公共空間の恒常的なにぎわい創出を目指す。
東武鉄道は2019年6月25日、墨田区と連携して、浅草と東京スカイツリーを結ぶ東西空間を中心に、にぎわいのある水辺整備を推進することを明らかにした。2020年に開催する東京オリンピック・パラリンピックに向けた魅力的な空間創出事業の一環であり、都内屈指の観光拠点である浅草とスカイツリーエリアの特性を生かし、恒常的なにぎわいの創出と回遊性の向上を目指す。本整備事業は「北十間川・隅田公園観光回遊路整備事業」と「隅田川橋梁歩道橋新設」の2つの事業で構成され、どちらも2020年春に供用開始を予定している。
北十間川・隅田公園観光回遊路整備事業の基本コンセプトは「伝統と先進が出会う水辺と街のにぎわい交流軸の創出」。北十間川西側区間の水辺を中心に、親水テラスや鉄道高架下、コミュニティー道路、墨田公園を一体整備する。
公園・道路・親水テラス(公共空間)の整備には、地元住民を中心とした活発な議論を基により作成された活用方針「水と緑のサードプレイス」が反映される。水辺の公共空間を自宅や職場とは異なるサードプレイス(第三の居場所)と捉えることで、地域の人々が集い、会話とつながりが生まれることで、地域への愛着を他者と共有できる空間に育てるという。
隅田川橋梁歩道橋の新設事業では、東武鉄道の隅田川橋梁に新たな歩道橋を設置し、双方あわせて年間約6000万人の観光客が訪れる浅草と東京スカイツリータウンを結ぶ東西軸を整備する。本事業により浅草寺から北十間川、東京スカイツリータウンまでを最短で結節する動線が生まれることから、東京イーストエリア全体のにぎわい拡散が期待できる。
隅田川の水辺整備の背景には、2020年の東京を目指した都市戦略がある。かつて水の都と呼ばれた東京の地の利を生かし、水と緑がめぐる豊かな都市空間を創出するためには、都市インフラの整備だけでなく、人々による水辺空間の恒常的な利活用が必要となる。しかし現在の隅田川エリアは、街の核が隅田川で分断され、水辺と町のつながりが希薄であるため、恒常的なにぎわいが生まれるには至っていなかったという。
この課題の解決に向けて組織された「新たな水辺整備のあり方検討会」は、2014年2月に「隅田川等における新たな水辺整備のあり方について」を提案。「川の軸」と「水辺回廊」という2つの施策によって、「浅草」「両国」「佃・越中島」「築地」のにぎわい誘導を目指すとした。今回の水辺整備事業は同提案の具体化との位置付けだ。
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