宅配ロッカーに非常食の自販機能?飛島建設が東武鉄道の賃貸マンションで設計・施工・サービス一貫でサポート
飛島建設は、2019年1月に着工した東武鉄道の賃貸マンション「Solaie I'll(ソライエアイル)練馬北町」で、ローリングストック(非常食の循環)システム付き宅配ロッカー「イーパルボックス」を民間住宅で初導入することを公表した。
飛島建設は、東京・練馬区で設計・施工・サービスまでを一貫して手掛ける東武鉄道の賃貸マンション「Solaie I'll(ソライエアイル)練馬北町」で、東京都の「子育て支援住宅認定制度」の設計認定を取得し、ローリングストック(非常食の循環)システム付き宅配ロッカー「E pal BOX(イーパルボックス)」を民間住宅として初めて導入する。
1週間に1度の配達・補充で循環、非常時には備蓄BOXを自動開放
イーパルボックスは、飛島建設、E&CS、フルタイムシステムおよびパルシステム東京が、共同で開発した非常食の自販機能を付加した宅配ロッカー。商品は、パルシステム東京が1週間に1度補充することでローリングストックが実現する。平常時には、非常食を日常食として自動販売し、地震発生などの際には、揺れを感知して自動的に備蓄BOXが開放される仕組み。
食料品は、購入・配達と週1回の補充で循環するため、非常食の長期保存を第1の目的とする必要がなくなり、味を重視した食料が提供できるメリットがある。
また、住戸への配達だけでなく、定期的にマルシェや食育講座といった食にまつわる「場」も提供することが想定されている。
さらに、入居者には、ポピンズ社による“ベビーシッターサービス”の無料利用枠(8時間/月)を提供。このサービスでは、自宅での子供の見守りに加え、急な残業や出張、仕事中に子供が体調を崩してしまった際の保育、自宅から駅や保育園への送迎といったサポートを受けることができる。
施設の特徴としては、ドア・引き戸の指はさみ防止やベビーカーの置き場、共用部のキッズ・シッタールームなど子育てがしやすい住居環境と、入居者同士のコミュニケーションとなる場所が設けられる他、1階にはクリニック・調剤薬局を併設する。
Solaie I'll 練馬北町の所在地は、東武東上線「下赤塚」駅にほど近い、東京都練馬区北町三丁目836番1〜4。RC造・地上6階建てで、延べ床面積は5368.16m2(平方メートル)。住居スペースは2〜6階で計62戸(2LDK、3LDK)。竣工は2020年3月の予定。
飛島建設は、東武鉄道が推進する「子育てしやすい沿線環境づくり」を企画・設計・施工からサービスの運営・維持管理までトータルでサポートしている。「New Business Contractor(新しいビジネスを創造する者)」と位置付け、建設業を軸に新たなソリューションの開発・提供を目指している。
子育て支援住宅認定制度は、2016年2月より運用を開始した優良な住宅を東京都が認定する制度。対象は、居住者の安全性や家事のしやすさなどに配慮された分譲または賃貸の集合住宅で、かつ、子育てを支援する施設やサービスの提供など、子育てがしやすい環境づくりを行っている住宅。選定では新築の場合、周辺立地や基本性能、単位空間に関わる必須項目62項目の全項目をクリアし、選択項目31項目のうち12項目以上に適合することが求められる。
認定された施設は、認定マークを使用できる他に、都のWebサイト上での認定物件PR、整備費の一部に補助金の活用が可能になること、総合設計制度およびマンション建替法を活用して容積率の緩和を受けることなどのメリットがある。
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