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後進用緊急ブレーキ装置を搭載したタイヤローラを開発、壁沿いでの作業も可能:産業とくらしの関東グランドフェア2019(2/2 ページ)
酒井重工業は後進用緊急ブレーキ装置を搭載したタイヤローラ「TZ704 Guardman」を開発。工事現場の事故ゼロを目指し、普及を進めている。
超低騒音基準値を満たした仕様で、近隣の迷惑になりづらい
TZ704 Guardmanは、マフラーと一体型のディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)を装着したエンジンを採用している。DPF設置車の利点であるアクセルペダルによるエンジンレスポンスの良さが、平地だけでなく、高地や坂道でのスムーズな発進を実現する。
スロットルレバーによる一定速度の転圧作業だけでなく、アクセルペダルでも操作が行えるため、特殊な現場での作業でも役立つ。
前輪のカバーは、液剤のタイヤへの安定した散布と周囲への拡散を防ぎ、施工品質を高めることに貢献する。
ECOモードは、フルスロットル時と比較して、燃費効率を最大36%アップさせた機体の運用を可能にする。運転音は超低騒音基準値より5デシベル低い値のため、住宅街や夜間の工事でも近隣住人に騒音による迷惑をかけずに済む。
散水タンクは樹脂製でサビない上、外に取り出すこともでき、手洗いにも使えるという。
TZ704 Guardmanの機体寸法は、2275(全幅)×2905(全高)×4985(全長)ミリ。重さは9130キロ。締固め幅2275ミリ。散水タンク容量は3500リットル。作業速度はLoで0〜12キロ、Hiで0〜24キロとなる。
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