虫を吹き飛ばすフラッシング機能を備えた防虫設備を開発、竹中工務店:防虫設備
竹中工務店は、害虫管理が必要な施設の建物開口部の防虫対策として、飛来虫の侵入を防ぐ設備「バグフラッシャー」を開発した。バグフラッシャーは、2層の風で虫の侵入を妨げる“エアカーテン”に加え、シャッターが開く前に強力な送風によって吹き飛ばす“フラッシング”の新機能を備えている。
竹中工務店は、食品・医薬品の製造施設など、とくに害虫管理が求められる施設の建物開口部の防虫対策として、ユスリカをはじめとする飛来虫の侵入抑制設備「バグフラッシャー」を開発した。
防虫性能を高める「防虫エンジニアリング」のラインアップ拡充
バグフラッシャーは、内側と外側に吹く2層の風の流れで虫の侵入を妨ぐ“防虫エアカーテン”。外側に大きく張り出した風は、内側の風を守る役割があり、向かい風によって内側の風が建物内に押し込まれ、風に乗った虫が建物内に入ってしまうのを防ぐ。
また、シャッター開口前に付近の虫を強力な送風で吹き飛ばす“フラッシング”機能も備える。シャッター付近にとどまった飛来虫をシャッターが開く前に、強力な送風によって遠ざけ、シャッターが開いた後の侵入を抑制する。吹き始めが不安定なエアカーテンの弱点を補う独自の機能で、頻繁に開閉する搬出入口などの防虫対策で威力を発揮する。
バグフラッシャーは、2003年に開発された防虫設備「エアフラッシャー」をユーザーの意見をもとに改良。これまでエアフラッシャーは、モーター駆動のルーバーを用いていたため、フラッシング開始から、エアカーテンへの動作切り替えまでに約5秒を要していたという。バグフラッシャーでは、モーターなどの可動部品を無くすことで、故障のリスクが低減され、動作切り替えまでの時間も最短で約1秒と、大幅な機能向上を図った。
竹中工務店では、2001年に防虫研究の専用施設を技術研究所に開設するなど、建設会社としては早くから施設の防虫に取り組んできた。今回のバグフラッシャーにより、昆虫異物混入で重要とされる飛来虫対策が一層強化されたことになる。今後も、独自のエンジニアリング技術を適切に組み合わせ、施設の抱える課題に対して、建築的アプローチから解決策を提供していくとしている。
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