竹中工務店が設計・施工した「枚方T-SITE」が「MIPIM AWARDS」の最優秀賞に:プロジェクト
竹中工務店が設計・施工を手掛けた「枚方T-SITE」が、世界の優れた不動産開発を表彰する「MIPIM AWARDS 2019」で、アジアのプロジェクトとして唯一「BEST SHOPPING CENTER」部門の最優秀賞を受賞した。
竹中工務店は2019年4月、世界最大級の不動産博覧会「MIPIM(不動産プロフェッショナル国際マーケット会議)」で開かれた「MIPIM AWARDS 2019」で、200件以上の応募の中から同社が設計・施工を担当した「HIRAKATA T-SITE(枚方T-SITE)」が、「BEST SHOPPING CENTER」部門の最優秀賞を受賞したと発表した。
HIRAKATA T-SITEは竹中工務店と前田組のJVが施工し、2016年に枚方市駅前で開業した蔦屋書店を中核とした生活提案型の商業施設。書籍を通してライフスタイルを提案する施設で、あらゆる人が集う「街のリビング」がコンセプト。ここを拠点に地域コミュニティーを再構築して、鉄道ネットワークと連携したコンパクトな街づくりの拠点とする構想だ。
外観は、駅前広場に向かって、積み木を積み上げたように跳ね出した構造にすることで、吹き抜け空間を連続させて、人々が思い思いに立ち寄りやすくなるように設計している。立体的に配置されたBOXの上部で、くつろぐ人々自身が街の風景となり、施設は建築でありながら、駅前広場が立体的に拡張した「広場としての内外空間」をも創出している。
今後は、HIRAKATA T-SITEの1号館店舗部分を敷地南側の岡東中央公園側に移転し、公園とつながる駅前広場をつくり出す計画だ。竹中工務店では、この計画を機に、MIPIM AWARDSへ応募したところ、将来の街の姿を見据えた持続可能な街づくりを目指す構想が評価され、最優秀賞を受賞できたと説明している。
2016年3月に竣工したHIRAKATA T-SITEの概要は、地下1階・地上9階建てで、構造はSRC/S/CFT造。敷地面積は2723平方メートル、建築面積は2503平方メートル、延べ床面積は1万7558平方メートル。
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