隈研吾が設計したスコットランドの美術館で、Revitが活用された理由とは?:墨出し・杭打ちBIM&クラウド連携セミナー(2/2 ページ)
オートデスクは、現場と設計データの不整合による手戻りの解消を目的に、Autodesk BIM 360をはじめとするBIMソリューションの活用を推進している。
設計誤差3ミリ以下を条件とする建物でBIM活用
オートデスクは、業界の課題を解消する製品として、クラウドベースの建設プロジェクト管理プラットフォーム「Autodesk BIM 360(以下、BIM 360)」を始めとする各ソフトウェアの利用を推進している。
技術営業本部建設ソリューションスペシャリストのアナビ英子氏から各BIMシステムの海外での活用事例が紹介された。イギリスの施工会社BAM Construct UKは、「Revit」「Navisworks」「Point Layout」「AutoCAD」を使用し、スコットランドの美術館V&A Dundeeを建設した。
アナビ氏は、V&A Dundeeについて「隈研吾建築都市設計事務所がデザインした建物で、スコットランドの湾岸線をイメージした外観となっている。BAM Construct UKは、設計誤差3ミリ以下で、複雑な形状の建築物を建設しなくてはいけなかった。従来の測量、施工方法では対応が困難だったという。だが、BIMのソフトウェアを使用することで完工した。BIM運用の利点については、Revitを用いて、3Dモデルを作成することで、クライアントとの意匠などの合意がスムーズに進んだという。事前に3Dモデルを確認できたため、施工時に手戻りの減少につながったとも聞いている。また、BIM 360を使うことで、コンサルタントなどのさまざまなステークホルダーと、現場に居ながら、BIMモデルの確認やリアルタイムに情報共有できたことも利点となった」と語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- レイアウトナビゲーターとBIM 360を活用した墨出しポイント取得ワークフロー
トプコンソキアポジショニングジャパンは、人為的なミスの削減やデータ管理の円滑化を目的に、トータルステーションとオートデスクのクラウドサービスを連携した墨出しポイント取得ワークフローの普及を推進している。 - トプコンとオートデスクがBIM/CIMでISV契約、トレーニングも含めた一気通貫ソリューションを提供
トプコンと、オートデスクは、建設・土木分野における「働き方改革」の実現に向け、戦略的パートナーシップ契約(ISV:インディペンデント・ソフトウェア・ベンダー バンドル契約)を締結した。これまでの業務提携から一歩踏み込み、なかなか進まない現場レベルでのBIM/CIM活用を目指し、トプコンの全国4拠点でのトレーニングやサポートも含めた一気通貫のソリューションを提供する。 - オートデスクとダイテックが“IFC”を介せずデータ連携、少ないデータ量で迅速な設備設計・施工が可能に
オートデスクと、建築設備CADを開発・販売しているダイテックは、両社が提供する建設業向けソフトウェアのデータ連携技術を共同開発することで合意した。 - 日本設計とオートデスクの提携が次の3年で目指す「BIMの可能性」
日本設計とオートデスクは、BIMに関するパートナーシップ契約を2015年に結んでいるが、このたび新たに3年間の契約を更新する。この提携では今後、BIMを中心に据えて、日本設計が得意とする“超高層・大型案件”への対応や世界的にも遅れている“電気設備BIM”など、建築物の今以上の高品質化・高性能化に、BIMを最大限活用して取り組む。