ゲームエンジン“Unity”を提供するユニティ・テクノロジーズ・ジャパンは、オートデスクRevitで作成したBIMモデルをiOS、Android、AR/VRなど25以上のデバイスに表示し、相互にリンクする「Unity Reflect」を2019年秋にリリースする。
ワンクリックでBIMをUnityへエクスポート
Unityでは公開されたティーザーサイトにおいて、開発中のUnity Reflectを、あらゆるデバイスでBIMモデルをベースにした3次元モデルを直接扱えるようにすることで、建築/エンジニアリング/建設(AEC)の技術者がBIMを有効活用できる新しい製品と位置付けている。
Unity Reflectは、ワンクリックで、BIMデータとCADデータをオートデスクのRevitからUnityへエクスポートするRevitプラグインを利用している。リアルタイム3Dモデルが生成され、タブレットやPC上の3Dビュワーから手軽に閲覧することが可能だ。
また、Revitで行われたデザイン変更は、モバイルからデスクトップへ、VRやARへとあらゆるデバイス間でリアルタイムに自動で同期される。これにより、工事関係者が効率的に共同作業が行える環境が整い、設計、施工、維持管理の各段階で手戻りを減らせ、BIMモデルによって工事関係者間の合意形成を図ることも実現する。
具体的には、Revit上のモデルで、ドアの移動、窓の追加、マテリアルの調整などの変更が加わわると、リアルタイムでUnity Reflectに反映。iOS、Android、Mac、PC、AR/VRデバイスなど25を超えるさまざまなデバイスおよびプラットフォームに対応しており、世界中のどこからでも、3Dモデルへアクセスできる。3Dモデルを関係者で共有し、新たなアイデアをすぐに反映させられることで、複雑化するクライアントの要望にスピーディーに応じられる。
Unity TechnologiesのCEO、John Riccitiello氏は、「Unityのリアルタイム3Dテクノロジーは、建設物とインフラストラクチャの設計、構築、運用のあらゆる段階での評価を可能にする。(VRによる)リアルタイムの没入型体験を通じた設計オプションの探求、複雑なエンジニアリングの問題解決、建設プロジェクトの加速を実現するために、Autodeskと協力して、あらゆるユーザーが直接BIMデータを活用できるようにした」とコメント。
Unity Reflectは、2019年秋にローンチ予定。順次、公式Webでアップデート情報をリリースするとしている。
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