VR空間で3Dモデルを修正できる「SYMMETRY」、自動翻訳の次はBIM対応:VR(2/3 ページ)
米Symmetry Dimensions(シンメトリーディメンションズ)の建築設計向けVRソフトウェア「SYMMETRY」のVer1.2が2019年5月20日にリリースされた。新バージョンでは、多言語への翻訳機能に加え、複数人でのデザイン確認や建築プレゼン時のコミュニケーション機能がアップデートされた。
土木で点群と3次元モデルを組み合わせた活用が広がる
前回のアップデートでは、ドローンやレーザースキャナーで取得する点群データに対応。点群データ上に、Sketch Upの3Dモデルを配置することなどができ、ここ最近では土木分野でも導入が広がっているという。
橋梁(きょうりょう)工事の実例では、SYMMETRYで点群データを読み込み、SketchUpで作った橋の3Dモデルを重ね合わせ、現場シミュレーションが行われた。その結果、土砂崩れのために設置する矢板が収まらないことに気付いたり、橋梁下部に杭打機が入れる高さかどうかの検討に活用したりと、これまでの様に人件費や重機のレンタル費で余分なコストが無くなることにつながった。
今回、Ver1.2で新たに追加された機能は、多言語に自動変換できる翻訳機能をはじめ、複数人でVR空間へ入った際に人を自分の場所に呼べる「Gather(集合)」、逆に任意のユーザーのもとへテレポートする「Join(追従)」が追加された。また、コミュニケーションツールとして、VR空間内を指し示すレーザーポインターも加わった。
このうち翻訳機能は、これまでの音声認識ではVR空間にピンを立ててHMD(ヘッドマウントディスプレイ)のマイクに向けて発した言葉が自動で文字化され、座標を持った附箋の様に貼り付けられたが、これが海外とのやりとりの際に、現地の言語で自動翻訳されて表示されるというもの。海外プロジェクトで、遠く離れた場所にいる設計者や施主との有効なコミュニケーションツールになり得る。
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