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東急電鉄と静岡県が点群取得して県土を“バーチャル化”、観光や自動運転に活用:3次元点群データ(2/2 ページ)
東急電鉄と静岡県は、両社が所有している静岡県内各地の3次元点群データの相互利用を進める連携協定を締結した。防災力強化や観光業などの産業振興に、有効活用する考えだ。
伊豆観光型MaaSの第2期実証にも、点群データを活用
さらに、静岡県は3次元点群データのオープンデータ化を進め、東急電鉄は点群データを活用した伊豆急行の保守管理の省力化と防災力の強化を図り、観光誘客映像などのサービス事業を開発する。2者協働では2019年11月頃、伊豆観光型MaaS(Mobility as a service)プロジェクトの一環で、自動車の自動運転の実証が下田市内で予定されている。
MaaSとは、ICTで交通情報をクラウド化して、交通機関の運営主体に関わらず全てのモビリティ(移動)を1つのサービスとして位置付け、シームレスにつなぐ新たな移動の概念。県内では東急電鉄やJR東日本などを実施主体に、国内初の観光型MaaSプロジェクトの第1期が東伊豆・中伊豆エリアで展開している。実施期間は2019年4〜6月と同年9〜11月で、利用者の目的地までの鉄道やバス、AIオンデマンド乗り合い交通などの交通機関を、スマートフォンの専用アプリ「Izuko(イズコ)」上で、横断的に検索から予約、決済までを分断することなく、1つの交通システムでつなぐというものだ。
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