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新日鉄興和不動産が本格展開するオフィスビルブランド「BIZCORE」、なぜ中規模ビルがターゲットなのか?(2/3 ページ)

中小規模のオフィスビルでは、ここ最近、築20年以上を迎えるビルが80%以上と急増している。この市場にターゲットを絞り、大手デベロッパー各社は、中規模でありながらハイグレードの設備を備えたオフィスビルブランドの開発に注力している。その一つが新日鉄興和不動産の「BIZCORE(ビズコア)」シリーズだ。2019年3月29日には、初弾の神保町に続く2棟目、シリーズのシンボルとなる「BIZCORE赤坂見附」が竣工する。

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付加価値の高いオフィスビルで多様なニーズに対応


事業開発第2部長の奈良敦氏

 その中でも、中規模ビルのBIZCOREシリーズは、赤坂見附での竣工を機に本格的に注力していくという。なぜ中規模グレードなのか、その理由を、事業開発本部 事業開発第2部長の奈良敦氏はこう説明する。

 東京23区の中小規模オフィスビル(延べ300〜5000坪)市場は、棟数でみると8459棟があり、大規模ビル(延べ5000坪以上)の747棟と比べると「10倍を超えるストック量で圧倒的に多い。しかし、築20年以上が7380棟で87%と大半を占め、老朽化が顕在化してきている」。

 バブル崩壊後に供給されたビルは大規模ビルが中心で、「床面積でみると中小規模ビルは築古ビルが多く残ってしまっている状態。大規模ビルは現在に至るまで、継続的に供給が途絶えていないため、開発が進む湾岸エリアなどでは新耐震基準をクリアしたビルが多い。一方で、最初にオフィスができた旧来のオフィスエリアは、建て替えが進んでおらず、旧耐震のビルが依然として多い」と市場開拓の狙いを解説した。

 実際に奈良氏の指摘通り、ここ数年で、この都心部の古ビルエリアに、新築で中規模のオフィスビルが供給され始めている。代表的なところでは、野村不動産「PMO」、サンケイビル「S-GATE」、住友商事「PREX」、三菱地所「CIRCLES」。そして新日鉄興和不動産のBIZCOREもこの一つ。共通しているのはハイスペックであるという点だ。


大規模ビル・中小規模ビルのストック量(床面積)

都心における新耐震ビルの割合

 企業の働き方改革を受け、現在のオフィスニーズは変化してきている。立地、設備グレード、セキュリティは普遍的なものとしてあるが、それ以外にも、例えばスタートアップ企業が創業後に数年が経過し、優秀な人材を確保するため、スペックの高いオフィスや新たな働き方の実現ができるオフィスを求める動きも出始めている。さらに東日本大震災以降には、従業員の安全性が担保できる“耐震性”“BCP”にも注目が集まっている。


企業のオフィス環境づくりに対する意識

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