五輪選手村跡地の再開発全容、東京の“どまんなか”に5632戸・人口1.2万人の街が誕生:晴海再開発の名称「HARUMI FLAG」に決定(2/3 ページ)
東京・晴海五丁目西地区で、東京オリンピック・パラリンピック大会の選手村跡地を活用する再開発計画の事業名称が「HARUMI FLAG(ハルミ・フラッグ)」に決定した。東京湾に面した都心中央部の広大な敷地13ha(ヘクタール)に、5632戸の分譲・賃貸住宅と商業施設の計24棟を建設し、計画人口1万2000人の新たな街が誕生する。
交通インフラに都が新交通システム“BRT”を導入
HARUMI FLAGのロケーションは、都心部と湾岸エリアの結束点に位置し、“東京のどまんなか”ともいえる立地。銀座まで2.5km(キロ)、東京まで3.3kmと抜群のアクセスで、主要エリアへの車両での移動には便利なエリア。しかし、三方が海に囲まれ、計画地の最寄り駅は、対岸の豊海まで160mあるさらに先の都営大江戸線「勝どき」駅、または豊洲新市場前のゆりかもめ「市場前」駅と、日常で使うには不便さは否めない。そこで東京では次世代交通システム「BRT(バス高速輸送システム)」の導入を検討している。
会見でゲストとして登壇した東京都 都市整備局 市街地整備部長・山下幸俊氏は、「晴海は都心からも、競技会場となる有明・台場とも近い場所。再開発事業により、大会後に選手村を改修して2024年には1万2000人が住む街となる。それを想定して、東京都と京成バスが計画を進めるBRT(バス高速輸送システム)を導入することで、朝のピーク時でも、都心へのスムーズな移動や渋滞の解消が実現する」。BRTの計画では、HARUMI FLAGに隣接するマルチモビリティステーションと新橋駅、虎ノ門を結び、新橋駅で午前5時台〜24時台のバス運行が予定されており、朝のラッシュ時には1時間あたり、12本の便が走る。運行バスには、バリアフリー対応をはじめ、水素エネルギーを利用したFCV(燃料電池)車両や車内転倒事故防止技術などの先進技術が多数採用される見込みだという。
HARUMI FLAGの4つのコンセプト
HARUMI FLAGの街は「OPEN VILLAGE」として、“ゆとりと変化を街に生み出す”“本物の自然に包まれて暮らす”“日本らしさが息づく”“ご近所でつながる、分ける”の4つのコンセプトで整備される。
ゆとりの空間では、街の中心となる直径100mの中心広場「CENTER CORE」を官民一体で整備。建物と建物の間で広がりを持たせ、表参道の幅員の2倍相当となる最大70mの棟間隔で広幅な街路とする。住宅棟は、駐車場を全て地下化し、空地率50.3%という開放感ある空間を確保。住居スペースも2階以上として、1階部分には店舗や共用空間を設け、交流や賑わいを創出する。
街の自然に関しては、三方に広がる海の景観を生かし、角度を工夫した配棟計画で、街のどこからでも海を感じることができるようにする。街の各所には、森を作るため、高木樹木3000本と中木樹木900本で、計100種類の樹木を植える。
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